タイトルがあれな上に、このブログが同人ネタを中心にやっている都合もあって、どうしてもいわゆる二次創作・パロディの話に見えがちですが、実はそれとは関係ない話です(もっと広い範囲の話だったりします)

違法コピーとか、無断転載とかというものが流行っております。いや、こんなモノ流行っちゃいけないんですが、 やってる当の本人たちは「だってみんなやってるじゃない!なんで自分だけ…」というものです。

この「みんなやってる」。
変なところで原因の一つを見つけてしまったという話。
(法律の穴というか、変な解釈するとこうなってしまうという話でもあります)

さて、さきほどの「みんな」。
みんなってどこでしょう?と考えると、こういうことをやってる人達に未成年が多いことにお気づきでしょうか。もちろん成人してる人もおりますが、子供の時にそう解釈して、訂正される機会のないまま大きくなってる人も一定数いるということで「未成年」と定義いたします。
といっても、未成年=子どもだからやってしまうという話ではありません。

子どもたちが長く時間を過ごす場所というのはどこでしょうか?

答え:学校

著作権法第三十五条にこう書かれております。

第三十五条  学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2  公表された著作物については、前項の教育機関における授業の過程において、当該授業を直接受ける者に対して当該著作物をその原作品若しくは複製物を提供し、若しくは提示して利用する場合又は当該著作物を第三十八条第一項の規定により上演し、演奏し、上映し、若しくは口述して利用する場合には、当該授業が行われる場所以外の場所において当該授業を同時に受ける者に対して公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

……実は、学校教育に必要ならば、使用が可能なのです。
この「学校教育に必要」というものが思ったよりも範囲が広くてですね。
例えば、先生が「教材」としてドラえもんやクレヨンしんちゃんの漫画のコマやアニメーションのキャプチャー画面をそのまま使って授業することは可能です。授業用プリント作成にあたって、コマをコピーして配布することも問題ありません。
校内合唱コンクールでJ-POPソングを無断で歌っても、著作権侵害にはなりません。著作権侵害にうるさいことで定評のある(とされている)ディズニーの曲であっても、著作権料を支払う必要はありません。
さらにさらに。運動会で、入場口にルフィやサンジ(ワンピース)のイラストを使っても(先生でも生徒でもいいですが、誰かが描いたもの=二次創作であっても)まったくもって著作権侵害になりません。
法律で複製が認められているのです。
当然ですが、美術の授業でアニメキャラのイラストを描こう!は問題ありません。

これは、「学校教育現場」という閉じられた環境内で完結するものに限定されると考えるため、大丈夫なのです。
これが「学校ホームページ」とかだと話が変わってきます。インターネットに公開すると、第三者も閲覧することが可能なため、そこから外部に流出することがあるからです。
(パソコンに保存するのは問題ないし、校内で完結したイントラネット内のサイトでの公開ならば問題はない)
最近は卒業アルバムとして学校行事などを動画で撮影し、それらをDVDに焼いて生徒分配布するということが流行ってるそうですが、この場合は、アニメキャラのイラストとかは収録してはダメですし、合唱コンクールで例えばディズニーの歌を歌ったら、著作権料を払わないと収録してはいけません。
また、教師が自ら作成するものならば問題ありませんが、教材作成業者が作って販売しているものを1部だけ購入して、生徒分コピーするのはアウトです。

とまあ、いろいろルールはあるのですが、学校内で漫画コラージュや二次創作的漫画を描くこと、既存キャラクターを使った創作文章を書くことは問題ないのです。
ところが。
これって、要するに「学校教育で必要だから」許可されてるのね。
ということを、学校教育で説明されることがなかったというのが、こういうことが一向に減らない原因と思ったりしております。
最近はネットリテラシーとして著作権の勉強をするというところも増えてはいるのですが、教える側になるはずの当の教師が著作権がわからないと、そりゃ生徒もわかるわけないよねという話な気がするのです。
(……ええ、先生方も覚えることがいっぱいあるのでしょうがないとは思うのです…。が、なんていうか、思い込みと誤解でこのへん語る人が多くて、語るんだったらちゃんと調べてよと思ったりしております…。ああ、いろいろあったんで半分以上愚痴に近いのですが、子どもたちがネットで悪いことしないように、ネットは怖いんだぞ!こんな実刑食らうんだよ!って話してよ!という先生がいて、対応に困るケースが多々有ったりします…)

んでもって、生徒も「学校でやって大丈夫なことは、おうちでも卒業してもやっていいに決まってる!学校は正しいから!」と思うんですよ、ちゃんと法律の説明してないから。

正直、こんな小難しい法律を全部覚えろ!覚えさせろ!とは言いません。
ただ、ちょっと頭に入れて欲しい内容でもあるよなーと思ってたりするのです。 
先生が悪いとかそういう話ではなく、どこかでさらっとそういう話が当たり前に聞ける環境があるといいよなーという話です。今の学校授業は本当に勉強勉強で、なんて言うかゆとり欲しいよねと思うのです。「人生の無駄」とされてしまう「無駄じゃないもの」を学べる時間が欲しいなーと。

以上、お仕事上の愚痴のコーナーでした(マテ。