本題の前に、ちょっと宣伝。
STRIKEHOLE花羅さんの本に寄稿させて頂きました。
ウィラートラベルバスの乗車体験記の一節です。
お見かけしましたら、お手にとっていただけますと幸いです。

さて本題。

【同人イベントに客などいない!すべてが参加者である!】
という主張で揉めるケースが繰り返し発生しております。
……ぶっちゃけ、これって最近の問題じゃなく昔っから定期POSTレベルで聞く揉め事なんだけど、結論はともかく【なんで?】の部分に答えることがないからってのもあるかなーと思っております。

そもそも、「客」って言葉に色々意味がありすぎるのよね。んでもって、どの意味で使うのか、どのシチュエーションで使うのか(同人イベントに限定しても)が人によって違うので、ケースによっては【お客様はいる】といっても問題は全くないんだけど、その辺理解せずに「すべてが参加者なんじゃああああああ!」といってしまうがゆえにややこしくなってる気がしとります。

という話を。

 

まず、【客】という言葉を辞書で引いてみる。

 きゃく【客】  
[名]
1 訪ねてくる人。また、招かれてくる人。まろうど。「―をもてなす」
2 料金を払って、物を買ったり、乗り物に乗ったりする人。顧客・乗客・観客など。「―の入りが悪い」
3 旅人。また、止宿人。「不帰の―」
4 主体または自分と対立するもの。客体。
「月の題に大仏を詠み合せて大仏が主となり月が―となるとも」〈子規・俳句問答〉
5 (多く「お客さん」の形で)
 ア)ある組織の中で、別格扱いされる人。
 イ)勝負事・商売などで、くみしやすい相手。
6 月経のこと。
 
[接尾]
助数詞。接待用の道具・器物を数えるのに用いる。「吸物椀(わん)五―」
……6の意味は知らんかったなあ、さすがに(汗。

それはともかく。
「サークルを訪ねてくる相手」のことを<該当サークル側>が【お客さん】というのは、間違いでもなんでもなく、むしろ自然なのです。そもそも、これってサークルに限った話でもないし、金銭の有無とかも関係ない。訪ねる理由も関係ない。サークルの本を買いに来た人でも、中の人に会いに来たでも、たまたま通りかかってふらっと寄ってみた人でも「お客さん」で間違いではないのです。文脈上。
だって、「サークルを訪ねてきた人」なんだから。 
これは、引用から言うと1の意味になります。

また、サークル側が「自分の本の頒布数が多かった少なかった」とか、主催側が「イベント参加者が多かった少なかった」という文脈で【お客様が多かった少なかった】というのは、間違いでもない。
これは1か2(どちらか、もしくは両方)の意味になります。
※もっとも、2の意味とすると、同人誌のやり取りは販売(商売)なのか頒布なのか、同人イベント参加に入場料がいるのか要らないのかという議論もまたあるので、相手を見た上で使い方に気を付けないと揉めるなあとは思ってる。

ところが。
「同人イベントにお客様はいません!」の場合の【お客様】って、大抵が5-ア)の意味で使っているのでございます。 
ああ、うん。サークルだろうが買い手だろうがスタッフだろうが主催だろうが、誰もが誰もを別格扱いなんかしないよ! んでもって、自分を特別扱いしろ!っていう人に対しては【お帰りください、お客様】になるわけですよ!

……日本語にかぎらず、言葉というのは違うシチュエーションや感情であったとしても【単語としては同じもの】を使うケースが非常に多いわけでして、このへん【前後の文脈を読んで判断しろ】という話になるわけですが。
あるサークルが1の意味で【お客様】を使うのに、別の人が5の意味で相手の文脈も読まずろくに説明もせず【お客様なんかいねーよふざけんな!】といえば、そりゃあ喧嘩になるよなあと思うのです。
他にも、ある買い手がサークルやスタッフに対し5の意味で【お客様です】と言ったとして、サークルスタッフ側は1の意味でお客様を解釈し、そういう対応をした結果「あのイベント(サークル)は対応が悪い!糞イベント(サークル)だ!」と流言を放流しちゃうとかね……。
まあ、後者の場合はぶっちゃけ【お帰りください、お客様】の対象なんで、その相手が不満タラタラはそのまま放置で流言を放たなければいいかなあとか思ってる程度には、いろいろな方のお相手をしてきたこうみょうですはい。 
ちなみに怖いなあと思っているのが、参加者が1の意味で「お客様」を使い、その上で質問した時に、スタッフが5の意味で解釈して【お帰りくださいお客様】を発動した時かなあ。
……まあ、この場合はできるだけ使わないほうがいいかなあとは個人的に思うのですが、接客業とかやってる人だとついポロッとその単語使っちゃうことはままあることで、ろくに確認もせず5と解釈しちゃってる人が多いよなあと。誰しも言いまつがいとかはあるものだし。自分が言った単語がまさか相手に誤解されてた!とか気づかないケースも多々あるし。 

コミュニケーションってどんな場合も大事なんだよなあと思います。
これって、いろいろな言葉を知っているとか、会話能力がうんたらとかじゃなく。
「相手の気持ちを少し考えてみて、わからなかったら聞いてみて、その上で行動しよう」
なんだと思う。 
これを【お互いに実行する】必要があるんだよなあとぼんにやり。
「そんなの相手が判断すればいいじゃんか!俺はめんどくさいんだだからヲタクなんだ!」
という人も多々おりますが、そういう人は5の意味で【お客様】なので。

お帰りください、お客様。永遠に。
ここ(同人世界)ではない、どこかへ。

イベント主催もやってるサークルの中の人としては、コミュニケーションがまともに取れない人(社会的にではなく)との対応が一番疲れます。ああ、サークルとか一般参加者とかだけじゃなく、イベントスタッフ!という中にも結構多いんだ。
(このブログでは個々の事情とか読み手の読解能力とかは深く考慮してられないので、文章として誤解されがちではありますが、さすがに直接お話した時にはそのへん気をつけて話してるつもりだったりします…)

とまとまりが無くなった所で。

同人イベントにてお客様と呼ばれた人間は存在します。
けれど、【特別扱いをする】お客様なぞ誰ひとりとしておりません。

って所で締めかなあ。
あんまりうまくまとまってないですが。