参議院議員の片山さつき氏の「初音ミクが死んだら」発言に対し、波紋が呼んでおります。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1307/03/news097.html
(どこが適当かわからないので、ねとらぼを貼り付けておくよ)

……これって簡単に言うと「初音ミクのようなキャラクターがエッチィことしてるの見たら、真似して幼女襲うようになるかもしれないじゃないか!」って話だったんだけど、その枕に「力石徹の葬式のように、初音ミクが死んだら葬式するでしょ!オタクは」みたいな話をつけてるからややこしくなっておりまして、本来はあんまり初音ミク関係ないんだけどね。要するに「アニメの幼女と実在の幼女がオタクは区別つくわけないんだよ!だからアニメとか規制すべし!」という話だったりします。

ヒデエ話しだというのが区別つくわけ無いと言われた側の率直な感想ですが、確かにそういう考え持ってる人多いんだよなあ。だいたい私より少し上くらいの世代(40~50代くらいかなあ)に多い気がしなくもない。
(もっとも、40代だからってみんな偏見を持ってるわけではないんだけど(理解者も多いのです)、基本的に理解者は声を上げないのが日本の美徳!と仰せられるのでなあ…せめて暴走している同世代を諌めてほしいなあと思いまするよ…)

で、ここで「んなことねぇよ!ふざけんじゃねええええ!」というのは簡単ですが、それをやっても議論は平行線どころかどう頑張っても敵対心煽るだけにしかならんので。
もう少し平和的に、「何故一般人はオタクをこんなに目の敵にするのか?」という話を紐解いてみましょうかと。



 

まず、皆さんは「オタクといえば誰?」と聞かれて、一般人は誰を答えると思いますか?

若い人だと所謂オタク芸人の名前なんかを挙げるのではないかなあと勝手に思っておりますが、自分たちより上の世代の一般人だと、「宮崎勤」という名前が上がることが多いのです。
ああ、うん。オタキング・岡田斗司夫じゃないんだよ。宅八郎でもないんだよ。


宮崎勤といえば、連続幼女誘拐殺人事件の犯人であり、死刑宣告を受けすでに刑死している人です。
逮捕されたのが1989年なので、当時小4だった私自身は薄ぼんやりとしか憶えてないのよね。実は。
ただ、この事件を思春期~青春期に見た世代にとっては衝撃的だったでしょうなあと、今は思います。
で、1989年が思春期~青春期に当たるのが、丁度40~50代なのよね。

その後の調査で、宮崎勤本人がいわゆるオタクであったか?といわれると微妙であったと言われています。が、当時のマスコミは宮崎勤=オタクと報道しまくっておりました。まあ、わからなくもない。自宅には大量のアニメビデオテープがあったし、コミックマーケット参加歴もあった。クラスで目立たないくらい子で成績も良くなく、引きこもりがち。
ああ、うん。世間で言われてるオタク像そのものですね!
いや、逆だ。むしろ、世間で言われているオタク像というものは、この事件で作られております。
(補足:アニメビデオテープのコレクション癖があったのは事実なのだが、どうも本人は集めることで満足したらしく、中身そのものはほとんど見ていないらしい。ゆえに、幼女のエロアニメばかり見て妄想してたというのは間違いなのですが、残念ながらそんな訂正放送してくれるわけもなく)
(補足:コミックマーケットに参加してる=エロ漫画ウッヒョイ!ではないことに注意。これも誤解が多いんだけど、成人向け同人誌は全体の3~4割と言われてる。同人書店に並ぶのはエロ本ばかりだけどね…)

とはいえ、当時の人にとっては衝撃的だったわけですよ、この事件。
ビデオテープを何千本も持っていて、それがほぼアニメ特撮もので、無職同然の青年が、幼女を性的に犯して殺害するという。所有していたビデオテープの中に幼女強姦シーンが有ったと報道されたことも衝撃度に拍車をかけていると思われます。更にいうと、マスコミはこの時期「こういうアニメを見ていて現実と虚構が混同するようになった」「実在の成人女性に興味を持てず、幼女にのみ性的興味・欲望を吐き出すようになった」と報道していたりしてまして。
この事件以後、「いわゆるオタク趣味」に対し、嫌悪感というか、白い目というのが注がれるようになります。
端的に言うと、「オタク、気持ち悪い。」
(補足:実際鑑定した医師たちによると、宮崎勤はペドフィリア(小児愛性)ではなく、性倒錯も見られなかったそうなんだが、それもちゃんと報道されてはいない。また、幼女強姦アニメに関してもたまたま検察がチェックした数本にあったのみで、ほとんどのビデオテープの内容はそういうアニメ特撮ではなく、更にいうと本人は見てもいないわけなのでつまり)

20年以上前の事件なんだけど、まだこの時の宮崎勤=オタク=犯罪者のリングが切れてないんだよなという話。んでもって、その後オタク趣味な人たちが更にアングラな世界に閉じこもり、正しいオタクの生態(?)が一般的に報道されるようになったのが近年(ここ3~4年)になってからというのがこの話をややこしくしてるんだけど、それはまた別の話。

で、今日本の世の中を作っているのが40~50代で、そういう人達が偏見持っていればそりゃオタクパッシングはとまんねーよなーというのが私の感想。
オタクが存在するのは創作物故というのはわかっているので、創作物そのものを規制すれば、犯罪者の温床である(と思い込んでいる)オタクは消滅する!犯罪者消える!気持ち悪いオタク男にレイプとかされなくなる!素晴らしい世の中になる!という理論。

こんなの絶対おかしいよ。
俺たちどうしたら良いんだ!ってのを考えないといけないんだけど、これが意外と難しいんだよね、困ったことに。


「一人がおかしかったからって、オタク全員が犯罪犯すわけないじゃないか!」
というのはそのとおりなんです。
実際、コミケ会場にいてもそういう性的犯罪を犯しそうなやつなんざまず感じることはない。むしろ2次元の架空の乙女たちに妄想を抱き、現実の女性には目もくれない男たちばかりである。…それはそれでどうかとは思うけど、少なくともリアル幼女リアル女性になんかしようと思って同人誌買ってる奴は皆無だと思うんだよね。
ところが、世間の認識ではそうなっている。そういう人間がいたから!一人いたら100人いると思え!な話しである。ゴキブリかネズミかよ!という話だが、世間の認識ではオタク=(世間に)害をなすという意味で同じ扱いになりがちです。
これ、占い師がよくあたってるように見せかけるテクニックと同じものらしい。占い結果が当たった人が何人いようと、実際に外れた人の人数がわからないと占いの正答率は出せない、ゆえに沢山の人を見ることになれば、当たった人数は必然的に増えるという話。
(ちょっと前にあった東方プロジェクトには変な人間が多い!大ジャンルにはジャンル遍歴するイナゴ腐女子が多い!って話も実はこの仕組みに当てはまる。分母が大きいので、割合としては平均なんだが実数は増えるのだ。変な人の確率が仮に1%だとして、100人の集団だったら1人しかいないから目立たないけど、1万人の集団だったら100人もいることになり、そりゃ目立つよねという、それだけなんだが)
目立って印象が深ければ、「そういう人が多い」と人間はあっさり錯覚するものらしいです。
で、これって別に最近の人間特有とかってわけじゃなく、古今東西どこでもそういうことはあったのです。
なので、こういう誤解を防ぐ手立ては、意外となかったりします。

そもそも、個人の思い込みって、主義主張になるし、ね。


基本的に、人間って軽蔑してる相手の話には一切聞き耳持たないんですよ。
これは、別に政治家だからとかそういう話じゃないんですよ。
嫌いな人間の話なんか、基本聞かないでしょ?
ゆえに、思い込みを覆すのは難しいし、間違った思い込みをもった人間に行動力や実行力があると怖いのです。
じゃあどうすればいいのかなあと考えた時に、「ターゲットになってないけどそこに詳しい人がちゃんと説明すれば話だけは聞いてもらえるよね」と思ったんだけど。
男オタクはこの嫌悪感のターゲットになってるけど、いわゆる腐女子はターゲット認識すらされてないんだよなー…と前から思ってるのですが、腐女子界隈はとにかく隠れる!馬鹿な男オタクみたいにちょっと目立つことして一蓮托生なんてあたしたちイヤなんだから!何か起こる前に目立つ杭はぶっ叩いて潰してしまいますわ!な世界でもあるので、多分誰もちゃんと説明しようとは思わないだろうなあ……(遠い目)。 


結論:実は結構詰んでる