で、今回の件なんだけど。
「80年代に発売されていた所謂ロリヌード写真集を下敷きにしている」
ということで児童ポルノ法違反となったそうなのですが、
「細密な模倣画として売られてたが、どっちかというとその写真集をスキャンしてフィルタ加工しただけっぽい」
ので、本来は著作権侵害になるんじゃないかなあ…と思った私。
（しかし、著作権違反となると親告罪になるわけで、そう考えると児童ポルノ法にしたほうが逮捕しやすいというのもあるだろうなあ）

それはともかくとして、これの場合「実在の少女をモデルにした写真をトレース」「写真と見分けがつかない精密画」ゆえに違反となったので、普通に非実在なエロ漫画とかは無関係だと思いたい。ミスリードかましてる新聞社がチラホラあったけど。
ただ、実在の少女をモデルにしてエロ描いたら即アウト！となると、所謂「ナマモノ」ジャンルは取締に怯えないといけなくなりそうだよなあ。同人書店の取り扱いとかが消えるのかしらん。
（もっとも、少年アイドルのセミヌード&プチ絡み写真集なんて女性向け雑誌にも未だに掲載されたりしてる状況なので、どこまで抑制がかかるのか、むしろそんなの関係ねえなのかもなあとも思ったり）

とはいえ、80年代に少女だった人、しかもその当時は普通に販売されていた写真集からの模倣って、「児童ポルノ法違反としての」被害者がどこにいるんだろうなあ…。
どこかで見せしめ的に取り締まらないと今度は完全にアウトな模倣をやるに決まってるって言われると、反論ってしにくいんだけど（100%いないと断言できないという意味で）、それはそれでどうなんだろうとは思う私がおります。

あと、自分がこれで不安に思うのは、例えば絵画としてヌードデッサンって普通にあるのですよ。少年少女のヌードデッサンってのもなくはないんだけど、これらも児童ポルノ法に引っかかるのかなあと。それどころか、自分の子供や孫の小さい頃のヌード写真もってるだけでアウトになるのかなあと。
（記事を読んでいると販売したことが逮捕要因になってるっぽいんだけど）
いや、絵画の世界って裸婦を描いたりってすごく多いのですよ。これが未成年に見えるというだけでアウトになるのかなあと思ってさ。モデルが存在していた（当時）未成年の裸体絵を所有してるだけでアウトなのかなあとか。

そう考えると、被害者がどこにいるのかさっぱり見えてこないんですよ。
これがわいせつ物陳列罪という話になるとまだわかりやすいのですが。


児童ポルノ法の問題って、実際に被害者がいたかどうかというより、見た人がエロいと思ったらアウト！みたいな話になってることが問題なのよね。もっと言うと取り締まる人が「被写体がその時点では未成年ぽい！（現在の年齢は知らん）」で「エロい！」ってだけでアウト！になってしまってるのが非常に問題なんだよね……。


個人的には。
この件、実はしっかり裁判して、結果どういう審判がくだされるのかというのに興味あります。
もしかすると、その結果次第でひっくり返りそうな気がするんですよ、いろいろなものが。
（そう思って更に面倒臭いことになっているという例は多々あるので、あんまり楽観視出来ないのですが）
裁判となるとものすごく時間かかりそうな気もするので、そもそも裁判するのかなあという疑問もなくはないのですが。
（後、実はこれってお得意の別件逮捕なんじゃないか？ともいわれてるのが不安。そうだとすると、創作の世界に圧力だけかけてそもそもの逮捕案件の話はすっ飛ぶのでなあ）

自分が無関係だからそんな適当なこと言って！とか言われそうなんだけど。
このケースを「児童ポルノ」と司法が認めるのかどうなのか、私はそれが知りたかったりします。
撮影当時は問題ないとされたものだけど、今の世の中ではアウトと言われている、というのは知った上で。