……同人とは関係ないことだと思って下さいという内容を同人に関するあれこれと銘打っているブログに書くという矛盾。
自分の中ではつながってくるんだけど、説明から用語から一切合切放棄するつもりなので、ぱっと見同人と関係ないってことで。
ただの思い出話ですよ。他意を求めちゃいかん。





 

私が子供の頃。
「子供たちに豊かな文化を見せ、豊かな心を持った子供たちを育てよう」
という触れ込みだったと思うんだけど、様々なお芝居を見るサークルに入っておりました。お芝居といっても演劇ばかりじゃなく、音楽系コンサートやオペラ、ワークショップまで色々やってたんですけど。子供たちにそういうのを見せて、素晴らしい心を持った子供に育てよう!というお母様たちの会。
……団体名を出さないのは、この団体は全国各地にある上に、私が所属していたところはまだ存続しているからです。別に宗教団体とかじゃないよ。

それらの団体が立ち上がった当初は、ちょうど【子どもの権利条約】がウンタラカンタラ言われてた時代だったと記憶しています。もっとも、自分がこの団体に関わった形態は【豊かな心を持ってほしい】子供という立場だったので、あんまり大人たちのその辺はよくわからないままに、ただ単にお芝居が面白いからとそこにいろんな人(大人も子供も)いるからというだけで結構長い間関わっておりました。
大きくなってくると、そこで行うワークショップやイベントごとの企画や運営にもちょこちょこ関わってくるようになり、イベントの構成とか、企画は何が大事かとかは、そこで教えられることなく肌で感じ取っていったわけですが。


私が所属していたエリアの代表はMさんと言いました。子どもの権利条約に惚れ込み、これを広めるためにこの団体のこのエリア担当をかって出た、らしい。このへんの経緯はあやふやなんでよくわかりませんが。
Mさんは子供のために!とその団体の事務局運営を切り盛りし、様々なところへ出かけ、賛同する劇団の人たちとミーティングを行い、そして、子どもの権利条約に賛同するお母様がたから絶大な支持を集めておりました。
ところが、私の母は「なんかへん」といって、途中から距離を置くようになりました。とりあえず電話とかは拒否しないし、お芝居を見るくらいならば行くけども、運営関係に誘われてもやんわりと断っておりました。
私はそんな大人のあれこれなぞわかりませんし、母もそこは好きにしたらというスタンスだったので普通に出入りしていたわけです。実際、20歳の時に実家を一旦出るまで、私の溜まり場状態になっておりました、そこが。

Mさんには当然ながら子供がいまして、その子供の一人Hくんと私はそこそこ仲が良かったのですよ。くん呼びしておりますが、実年齢は20くらい?離れているはず。所謂おにーさまだったわけです。このHくんが、まーやんちゃ()な人でして、自分がこの団体を離れたあとは個人的にお友達付き合いしていたのですが、その際にいろいろ悪いこと(?)を教わったというナニカ。タバコ一切受け付けないんだけど、葉巻にやたら執着しているのは多分彼の影響。
そんな彼が居酒屋をはじめまして、しばらくそこを行きつけの居酒屋にしていた時期があって、言っちゃあなんだがそんなに流行ってる店でもなくカウンターだけの店だったせいもあって、ひたすら酒を飲みながらいろんな話を聞いたりしていた時代がありました。
(過去形なのは、とっくに潰れてるからです)
そんなよもやま話の中で【母親】の話で盛り上がった時に。
彼が一言。

「うちはおかんが家にいなかったからなー」

確かにそのとおりで、Mさんはその団体の活動に熱心であまり家に帰っておらず、帰っている時も家事などはあまりしてなかったそうで。Mさんのお母さん(Hくんにとってはおばあちゃん)が家のことを切り盛りしていたそうな。
んで、その場の誰かが、
「じゃあ、寂しかったでしょ?」
という、当然の質問をしたわけで。
答えが。

「寂しくはなかったけどねー。でも、なんでうちのオカンは俺のこと見てくれないんだろうとは思ったけどね。他の人のお母さんは俺のことも見てくれたけど」

その時の彼の寂しそうな、悟りきったような、どこか遠くを見ている瞳が印象に残ってます。
もっとも、当時の私は20そこそこの小娘で彼の言ってる意味はさっぱリわからなかったんですが、ね。


去年の11月にMさんが勇退されることになり、慰労会&同窓会しようぜ!とその時の知人から声がかかって、私も久しぶりに顔を出しまして。
ぶっちゃけ3分の1は知らない人だったわけですが(汗、それでも見知った人たちと10年ぶりくらいで再開して話をしてたのですが。
そのときに、Hくんは来てなかったんだよね。たぶん仕事かなんかじゃないかなと思う。詳しく聴ける雰囲気じゃなかったから。
ただ、その時思ったのは。
みんな、Mさんは子育てを頑張って、その上でこの活動をやっている前提でご苦労様といっている。そして、子どもの権利条約を広めた功労者素晴らしい!と言っている。
確かに子育てしてないとは言わない。
言わないんだけど、このHくんの言葉が引っかかってて、なんか素直に「お疲れさま」が言えないなーと思ったのですよ。


【子供の権利】ってなんだろなって考えてしまったからだと気づいたのは、終わったあと。


ああ、えっと。
オチはないです(笑。
オチはないけど、放射能から子供たちを守れ!と叫び、家族ほったらかしでその活動にお熱を上げる主婦を素晴らしいと褒め称えるドキュメントがTVでやってたので。
んでもって、アダルト同人誌規制とかその他もろもろの件について客観的に眺める知識と立ち位置を身につけていろいろな人の発言に疑問を持った時。

ふと、Hくんのその言葉を思い出したのさ、というメモ。