一つ前の記事を読んでないかたは、そっちを先に読んでいただけると嬉しいなー。実は続いてるので。

著作権をものすごく簡単に考える

で。
同人の話をしていたのにもかかわらず、突然無断転載ネタで終わったのには訳がありまして。
無断転載的な著作権侵害って、同人とか関係なしにあるわけですよ。
で、だ。
一般的な無断転載、特にネットデータな無断転載って
「え?ネット見たらいつでも見れるじゃん!ネットは無料なんだから、無料のところにおいてあるものは勝手に持っていったっていいじゃん!勝手に持って行っていいならその後何したって関係ないじゃん!」
という話だったりするのです。もちろんダメですよ、そんな理屈通りませんから。

こういう考えの人達に対し、著作権侵害の説明するのは簡単なのです。

「お前は学校(や職場)にあるものを、なんでも黙って勝手に使って怒られないのか」
「いま目の前に財布がおいてある。これを勝手に持って行ったら泥棒だろ」

……まあ、説明する相手の環境により言い回しはいろいろ変わりますが、結局はそういうことなのです。

ところが。
同人、特にパロディ同人の場合、こういう開き直りする人がいるのですよね。

「2次創作とかいってるが、そもそもそれ自体が違法なんだから、それを持っていったって問題無いだろ!」



……まず、大前提からね。

「2次創作にも著作権は存在します」

……ただ、ちょっとややこしいのですよ。

そもそも、2次創作という言い回しが使われるようになったのが最近な気もしますが、それまでは「パロディ」と読んでいたような。
パロディというのは、創作表現の一手法でして。何か元になるものがあって、それを生かした上で新しい創作を作るというもの。批判や揶揄として使われてる!とよく言われますが、実はそんなこともない。
和歌や俳句なんかは「本歌取り」という言い方をします。
これまでにある有名な和歌や俳句、物語などを知っているという前提で新しい和歌や俳句を詠むというもの。
ただ、これも「元ネタはわかる」ようにしつつも「元ネタにしっかりアレンジを加える」というところがあるので、創作性があると言われます。
いわゆるパロディも同じで、「元ネタはわかる」うえで「しっかり作者なりのアレンジを加えている」から、別個の著作物と認識されるわけです。

パロディ同人誌はどうか。
確かに、キャラクターは元ネタに登場するものです。性格もだいたい一緒でしょう。ですが、お話としては作者なりにアレンジを加えているものです。また、性格も作者なりの解釈をしていることがあり、また外観(衣装など)も微妙に異なります。
ということは、別個の著作物ではないか。

というのが、2次創作同人誌には著作権があり、また違法ではない!という根拠。

逆に。
何かのキャラクターを真似して描くってのは、法律的に「複製」と呼ばれることがあります。
 複製というと「コピー」(トレス)のイメージが強いのですが、「手で真似して描く」のも「写真を撮る」のも「何らかの機械で同じ物を作り出す」のも複製です。上手い下手とかそっくりかどうかってのは無視されます。
さっきと逆に2次創作が違法!と言われるのは、これらが「複製」に当たるとみなされるからなのです。

本当のことを書くと、漫画が2次創作ウンタラカンタラで叩かれるのは、文章はパッと見で何かと一致しているように見えない(むしろパッと見で類似が見られる場合は丸コピ=複製が疑われる)のに対し、絵とかってぱっと見で元ネタのキャラとわかるので(わからないと意味が無いのですが)素人でも複製!と思えてしまうからなのですが。
ほら、絵がそっくりだと作者も同じだろ!話が違う?それは作者じゃない!じゃあ違法コピーじゃねえか!みたいな感じ。
微妙につながってないように見えますが、意外とそんなもんです。

……ただし。
複製することがダメ!ってわけではありません。
ひとつは、著作権を持っている方から許可をもらっている場合。
ひとつは、個人的に使うとき。
ひとつは、研究などに使うため、ルールに則り「引用」する場合。

最初のはいいですね。どんどん描いていいよ!2次創作ウェルカム!って言ってるわけですから、問題ありません。前も書いてますが、著作権とは「許可なく他人の著作物を使うな!」っていう法律です。許可をとっているわけですから、第3者が「2次創作だから」とかいうことも出来ません。
次のを飛ばして最後の。これは法律として認められている権利です。これは「どこまでが引用かわかるように記述」「引用元を明記」「引用が主にならないようにする」という事を守る必要があります。

問題は、真ん中の場合。
これ、例えば自分しか使わないパソコンの壁紙にするんだ!とかなら問題ないんですが、プリントアウトしてお友達にあげるんだ!になるとアウト。作者が知るかどうかはわかりませんが、アウト。
また、絵の練習として、有名漫画家さんの絵を真似して落書き帳に描くんだ!はOK。
その落書き帳に描いたものをコピー機でコピーして(描いた人がやるこれはOK)、お友達にあげるのはアウト。
さっきの落書き帳をスキャンしてWebサイトやPixivにアップするのも実は「アウト」なのです。法律解釈すると。

法律解釈すると。


……大事なことなので2回言いました。

どういうことか。

著作権って、親告罪なのです。
著作権の権利を持っている人が訴えないと罪に問えないのです。

著作権を持っている人がかならず訴えるとは限りません。
子供だし、ファンだし、と見なかったふりをしてるだけかもしれません。
もしくは、自分のキャラを使っているとはいえ、物語は違うものだから、自分の作品じゃない。相手にも著作権があると考えているのかもしれません。
はたまた、訴えるのがめんどくさいと思ってるのかもしれません。

これは、知るよしもありません。

ただ、一般的な2次創作同人誌と呼ばれるものが著作権的にグレーと言われるのは、こういった相反する解釈が可能だからというのがあるからです。


……ただ。
ここからは個人的な思いではありますが。
その作品のファンならば、作者が「2次創作やめてください」といったらやめないといけないよねえと思います。
「この人のパロディはいいけど、あなたのパロディはただの複写だからやめてください!」とか「あなたの作品は私の作品を汚してるのでやめてください!」といわれたら、素直に引き下がらないといけないものだと思います。
そこを「私だって著作権持ってるもん!」といっちゃうと、色々とめんどくさいことになるのでなあ。本人たちだけならまあまあまあなんですが、それだけで済まないケースが多々あるものですから。


あと、バレなきゃ問題ない!だから隠れるべき!ってのは確かに一理あるのですが、短期的にはそれでいいだろうけど、長期的にそれはあまりよろしい方向ではないなーと思うのです。バレなきゃ2次創作のイラスト勝手にパクってグッズ作る業者と行動パターンが一緒なので、業者を泥棒とみなした時に、そういう世界も泥棒世界とみなされる可能性が高いんだよなと。