自炊代行ビジネスに対し、業務の取りやめと損害賠償を求めた裁判の判決が出まして、複製の差し止めと賠償金の支払いが言い渡されました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130930-00000539-san-soci

この件に関して、自炊という行為そのものがダメになった!とかいう声が聞こえて、ちょっと苦笑。

それ以前に、この自炊代行ビジネスについては以前も業務取りやめの訴えが出て、業者がやめます!って言ったのにもかかわらず業務を継続してたからという話もあるんでなあ…。
(ちなみに、 URLの件は民事裁判であり、逮捕を伴う刑事裁判とはまた別。今のところ、自炊代行して作ったデータを不特定多数が閲覧できる状態にした業者が逮捕!有罪!のケースはあるんだが(http://mainichi.jp/select/news/20130910k0000m040024000c.html)、自炊代行ビジネスそのもの自体が著作権法違反で逮捕!のケースは今のとこない)

自分が所有する紙の書籍を、自分でデータ化して、誰かに渡すことなく自分で読んで保存する行為自体は、著作権法で認められております。
このデータを誰か(友人なども含めた、第三者)に渡したり、不特定多数の人が入手できちゃうところに置いたりするのはアウトでございます。あと、自分が使うわけじゃなく、他人のためにデジタル複製する行為もアウト。

……簡単に言うと、自炊行為そのものは問題じゃないの。自炊ビジネスは著作権違反だという話なのね。 
自分で買った本を自分で電子化し、自分だけで読むだけなら問題ないの。
(一応現段階の法律においては。今後著作権法が変わる可能性はあるので注意)

このニュースを見て思ったのが、ちょっと前にあった【コスプレ衣装業者を著作権法違反で逮捕!】の件。
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20130926-1195300.html
…これはまだ逮捕だけで判決出てないけど、これの逮捕理論も、この自炊ビジネス判断と同じ理論じゃないかなーと。


 

今日の言わせれさんで取り上げていたんですが。 
そっちでは著作権で保護される範囲が変わったんだなあ、同人関係も対岸の火事じゃないなあという話で、まあ、それはそのとおりだと思います。同人誌の2次パロに関しては前々からグレーと言ってるわけで、著作権をもってる作者からやめろ!と言われたらやめないといけないものであります。
そこは変わってないと思うのよね。

ただ、この逮捕の件に関しては、【衣装作成ビジネス】だから違法!逮捕!となったんじゃないかなあと思う私がいる。
要するに、商売となっていたから著作権法違反が適用されたんじゃなかろうか。
版権元として無視できない金額を稼いでいたから逮捕されたんじゃなかろうか。

……いや、稼いでなければビジネスとしていいのか?と言われると困るんだけどさ。法律論では金額の有無にかぎらずアウトなのは知ってるので。

何が言いたいかというと、今後いわゆる【コスプレ衣装作成業者】は(版権元からライセンスを取得している場合を除き)全面的に法律違反!として逮捕とかそういう空気にはなるのかもしれないなーと思うのです。
しかし、個人が自分で作り自分で来て楽しむ所謂「自作コスプレ」は何の問題もない、故にコスプレ遊びは自分で衣装が作れないと楽しむことができない!というようなハードルが課せられるようになるかもねと思うのです。
……いや、自分で作るったって、いわゆる市販品を自分で改造するのも含みますが。

昔はコスプレ製作代行業者ってほとんどいなくて、自分で作るか、そのへん得意な友達に頼んで作ってもらうか、市販品魔改造かで楽しんでいて、その衣装の出来がうんたらよりもみんなで成りきって遊ぶのを楽しんでいた記憶があります。
そういう時代に戻るのかなーと思ったり。いや、戻ることはないだろうなあと。コスプレの楽しみ方が昔とは変わってしまった気がするので(業者がいたからというわけではないんだけど)。
コスプレ衣装作成業者も、最初は自作レイヤーだった人が友達に制作頼まれたりしてるうちに自営業として起業してる方が結構いたりするので、私個人としては【衣装作成業者が悪い!】なんつーことはいう気もありませんが。

ただ、衣装を自作してコスプレすることそのものに制限は(2次パロ同人誌がどんなケースも完全なる著作権違反!と言われない限りは)かからないと思うんですよね。
うん。著作権法が変わったり、それとは別の法律ができたりって可能性はあるので、完全に永遠にセーフ!なんてことは言えないよ。少なくとも、今の法律の解釈ならばという話です。


……まあ、無許可業者が作った衣装はアウトで自作はOKという話になったところで、どこで見極めるんだという話は誰かとどっかで話をした気がする。先にも書いたけど、裁縫技術のあるコスプレイヤーさんが趣味と実益を兼ねて製作代行やってるケースも結構あるからねえ。ぶっちゃけ、業者タグがなければ他人が見極めるの難しいしねえ。

……友人に、衣装製作業者がいるので、今後どうするのかねえと思ったりしております。いや、ちょっと心配なのよ。相手からは蛇蝎の如く嫌われておりますが(ぁ。


私自身は著作権法をなめてるわけでもないし、2次パロ同人誌は完全合法!といわれるとそんなことはねえよと思っております。そういう意味で【グレー】という言葉をよく使うんだけど、世の中はなんでも白黒はっきり付けたがってるんだよね。
白黒つけたほうが楽なのは知ってるけど、法律の目をすり抜けるという意味ではなく、何故大丈夫で何故駄目なのかということを考えることを放棄したくないだけなんだよね、私は。
法律違反だから駄目!って考えるのは楽なんだけどさ。
同人誌は著作権違反だから犯罪!って理由も考えずに言うのは楽なんだけどさ。 

考えて考えて、いろんな人と考えをぶつけあって、その上で何が正しくて何が間違ってるか自分で考えて、自分で納得できる何かを見つけることを、まだ辞めたくないんだよね。