基本的に特定作品の即売会に関してあーだこーだは言うけど、作品そのものにあーだこーだ言っても仕方ないと思ってるので、あんまりそういうのをこのブログでやってなかったのよね。
ほら、作品を褒めるのもけなすのも、どっちにしても反感が出やすいしさ。あくまで「個人の感想です」なはずなんだけど、それですら許せないという方は思ってるより多いのです。

が、久々に書いてみたい内容があったのであえて書き記してみる。
……ブログのネタに困ってるとかそういう話じゃないのであしからず。

「艦隊これくしょん」というゲームが有ります。
……同人世界でも今すごくて即売会がほぼ毎週どこかの都市で開催されてるという、ピーク時の東方Project状態な大ジャンルなんですが。
ゲームとしてはブラウザゲーム。軍艦を擬人化した艦娘を集めて敵と戦うっていうゲーム…でいいかな、説明は。
 
で、このゲームはキャラがレベル99になるといわゆるカンストしてしまい、それ以上レベル上がらない仕様だったのね。 しかし、初期からやってる廃人提督になると、カンストした艦娘というのも手持ちに出てくるわけで、そんな艦娘たちを隠語で「結婚()」と呼んでたわけですが(カンストするくらいまで愛情を持って育てた=そこまで愛情注げば俺の嫁だろう的な意味合いで)。
ところが。
ゲームのバージョンアップで、この結婚()状態な艦娘のカンストを取っ払って、更に強く出来る仕組みができてしまいました。
その名も「ケッコンカッコカリ」。
レベル99のキャラがいると、いくつかのクエストをクリアした後にこのイベントを起こすことができるようになり、レベルが150まであげられるようになり、燃費が良くなり……というゲームプレイとは別に、そのキャラに結婚指輪が表示され、専用のムービーが流れ、図鑑にも登録されるという仕組み。
ちなみに、無課金でキャラ1名とはケッコンカッコカリができますが、課金アイテムを買えば複数のキャラとケッコンカッコカリが可能。

このシステムに賛否両論が起きてるわけで。
その賛否両論ブログでも貼ろうかと思ったが、めんどくさいのでやめた(マテ。
こう言う時にトラックバックシステム残ってると楽ではあるんだけどね。弊害が多いからしょうがないね!

 
で、本題に戻る。

要するにケッコンカッコカリってシステムは一種のカンスト外し、キャップ開放のようなものなわけです。
廃人提督がうじゃうじゃいる現状を考えると、何らかの方法でキャップ開放の手段は必要なわけです、公式としては。じゃないと、ゲームを違法改造しちゃう輩が続出し、想定外の動作をするゲームにしちゃうから(実際そういうことをやってる人は複数いて、問題が発覚する度に対応が取られている…けどイタチごっこだよね)。

ただ、その方法の名前が「ケッコンカッコカリ」って名前だから、賛否両論になっちゃってるんだと思うんだよね。

艦これをギャルゲーと言い切っていいのかイマイチ自信はないんだけど、まあ女の子キャラがわんさか登場するゲームなわけです。アニメやゲームのキャラに恋するオタクたちが自分の一押しキャラを「俺の嫁」という言い方をしてるわけで、このケッコンカッコカリシステムはそのオタクの妄想をゲーム内で実現させることができるというわけで。
ただ、2次元キャラしか愛せないオタクたちからすると、「結婚」って現実世界のものであり、しかもリアルでハードル高いものなわけですよ。それをゲーム中とはいえ好きなキャラと簡単にできちゃうってどうなの?ちゃんと付き合ってる期間もないのに、デートもないのに結婚?!という意見が一つ。
次に課金すれば複数キャラとケッコンカッコカリできるわけで、それって重婚なんじゃね!?嫁複数ってどういうことよ!という意見が一つ。
あと、戦時中という設定の中で結婚とか悠長なことしてる暇なんかねーだろ!か。

他にもあった気がするけど、まあいいや。

これ、問題点は「ネーミングが悪い」に尽きるんだよね。
結局カンスト外しのためのイベントであり、そのために結婚をする必要は別にないんだよね。他のイベントでもいいという意味において。 プレイヤーの一部がそう呼んでたからそのまま取り入れたんだろうけど、艦これ関係はちょくちょくネーミングで問題を起こしてる気がするのよね。
(前にも艦これカフェにおける「那珂ちゃん解体セット」というメニューとか) 
オタクにとって「結婚」って言葉は一般人が思う以上に重く重要かつ現実的なものであり、一種のリアル世界からの逃避である架空世界のゲーム中に軽々しく登場してもらいたくないものらしいんだよね。

……もっとも、結婚が登場するゲームというとラグナロクオンラインとかも途中で実装されたし、そもそも私なんかだと真っ先に思い浮かんだのが結婚イベントをしないと先に進めない(しかも嫁を2-3人の中から選ばないといけない)ドラクエ5だったりするんだけど。 ドラクエ5の時はそこまでネットが普及してなかったから議論が見えにくくはあったけど、あれも「ゲームに結婚なんて現実取り入れるな!」って意見あったんだよなあ。

重婚問題に関しては、日本だと重婚禁止ですが、イスラムの世界だとOKだったりします。で、日本の場合、制度としてはないんだけどいわゆる「妾」という複数の妻を持つのは少し昔を遡ると普通にあったのよね。
(今の天皇家は違うんだけど、江戸時代以前までは正妻(皇后・中宮)以外にも女御や更衣といった身分の妻がいたし、武家も同じように本妻の他に妾がいた話はいっぱいあるわけで)
もちろん、ある程度金持ちだからできるわけで(イスラム法もそんな感じ)、日本も昭和初期くらいまでは妾腹の子がそこまで不利じゃなかった。
今だと不倫の子とか父親に認知されてるされてないで、法律的に不利な立場に置かれるんだけどね。

ちなみに、日本における重婚ってのは、「働き手がたくさん必要」という面と「戦いで男性がたくさん死ぬと子孫が作れない」という面、「(当時は女一人では生活が難しかった)未亡人の生活援助」という面から来てたりします。
イスラム世界の重婚も、似たようなもの。戦争やって兵士の男が死ぬと、その嫁の生活はどうしたらいいのか?金持ちが援助すればいいじゃないか!結婚という形で!というのが当初の話だったりします。
うん、今の感覚だと理解できないよね。当時はそうだったんだくらいの認識でいいと思う。
戦争中に出征直前に見合い結婚し、結婚生活を1日も送ることなく未亡人になった人もいるし、特攻隊が絡むともう少しややこしい話も出てきたりする。
(日本の終戦宣言が出たあともソ連から空襲があって、空襲から守るために特攻隊がソ連軍を攻撃したって話があるんですが(終戦宣言後の敗戦国からの攻撃は国際法違反)、その時に妻を伴って特攻隊の飛行機に乗ったり(女性を乗せるのは軍紀違反)、特攻直前に結婚したばかりの妻を刺し殺してから特攻隊に参加したり…という話もあったりする。ちなみにこれらの行為は軍の命令ではなくある種自発的に行った特攻なので、つい最近までは命令違反で戦争犯罪者であり軍紀違反者であったという……)
イスラムは今でも法律上重婚可能ですが、だからといって妻を複数持つ人は相当の金持ちだけです。一種のステータスなんだな。まあ、結婚という形で未亡人を援助が発端なので、複数の女性を援助出来るだけの財力がないと重婚なんかできないわけです。
(現在の日本の場合、浮気とか不倫とかって形で「生活援助ではなく(快楽追求の)セックス相手」という意味合いでしかなくなっちゃってるので重婚に厳しいんだよね。それにシングルマザーって言って女手ひとつで子供を育てることに、昔ほど難しくなくなったというのもあるし)

オタクというのは、無駄に法律だの倫理だの常識だのマナーだのに細かい人が多くて、しかもその常識やマナーは「俺マナー」であり、「オタクの常識世間の非常識」であったりするケースも多々あるわけですが。
まあ、こういうのにうるさい人って多いのよね。

……現実世界で体験できないから、せめて架空世界で体験するって考えればいいのに!と言い出すと気持ち悪いとか言うんですね知ってる。

個人的には気持ち悪いなら気持ち悪いでいいと思うし、あくまでシステムだって割りきって遊ぶのが虚構と現実を分けて考えるコツだと思います。
そもそも、ドラクエ5と違って、ケッコンカッコカリってしなくてもゲームとしては遊べるしねえ。
自分も提督レベル92ですがケッコンカッコカリができるLv99のキャラはまだいません。どんなイベントなのか見たい気はしてるので、無課金でできる1回はやってみると思うけど、課金してまで複数キャラとのケッコンカッコカリをやるかどうかは分かんね。
あのゲームもある程度遊び方に自由度があるから、その辺は好きにしたらいいんじゃねとは思う。


それでも、「ケッコン」と言葉がつく限り騒ぐ人は出てくるし、批判する人ほど声が大きいのよね。