ちょっとぼかして書いてますが、こんな話が舞い込んできまして。

・ハードカバー仕様の同人誌
・印刷所が商業系大手の一般印刷所で、個人の依頼は引き受けないというところ
・奥付に担当の名前がある
・ゆえにこれは企業に金を出してもらって作られたものではないか?

で、こんなの2次創作でやったら即ジャンル潰れちゃうよ!版権元に伝わっちゃうよ!っていう注意喚起というか集団晒し的なまとめができていたというか。

……いいかな。
本当にそれがアウトだったとしたら、騒いだ結果で版権元に伝わる可能性のほうが高いんだけど、みんな大丈夫かな?版権元に通報します!とか言い出してる人もいるらしいけど(本当に実行するかはさておき)、そうなると作った人が問題じゃなく通報した人のせいになるわけで、女性特有の「マイルールから外れる人は集団フルボッコしてもよい!私達は正義!」が出ちまってるよ……?



 

話はさておき、さてこの仕様で同人誌はありうるのか?という件。
……実はできなくはないんだよね。
この条件に当てはまるルートは2つ。

1つは自費出版専門出版社を通したやり方。
よく「自分史創ります!」みたいな謳い文句で自費出版の宣伝を見るんですが、あれだとハードカバー仕様でしかも該当印刷所の使用は可能です。ついでに、担当がついて、ある程度校正とかしてくれるサービスもあったりします。
(私も誘われたことがあるさ…。オリジナルだけどアンソロ的な原稿と自費出版に誘われて、(お金は発生しない)アンソロ原稿提出した直後に、そこがいろいろ違法なことやらかして3ヶ月の業務停止かかって、その後話が有耶無耶になったさ…)
自費出版だと表紙のデザイン込みで100部100万円からとかそんな世界ですが、 結構なんでも自費出版できちゃうみたいで、結構エログロなお話(猥褻的に文章でもアウトだろ!的レベル)でも作ってくれるアコギな自費出版専門出版社はあるみたい…。絵本や写真集なんかも作ってくれるところも増えてきてて、漫画もやってくれるところはあるそうな。ちなみに、そういうところは商業大手の印刷所で印刷ってことになってます。

この自費出版が同人誌かどうかに関して疑問がある!自費出版は同人誌じゃない!という話だと更にややこしくなるわけですが、そもそも同人誌って「同好の士が集まって自費で本を作った」ものなので、自費出版サービスを使おうが同人印刷所に自分で発注しようが、同人誌として含めていいんじゃなかろうかと思うのです…。 

問題はこのやり方の場合、お金がうん百万とかかるわけで、一生に一度の自分史的同人誌ならともかく、何度も使えるサービスじゃないんだよね。内容がオリジナルかパロディかじゃなくて。

もう一つの可能性。
「おいら出版社の営業担当!あなたの本、原稿くれたらタダで印刷してうちと取引ある同人書店で売ってあげるよ!印刷費と手数料抜いた残りの売上はあなたにちゃんと支払うよ!あ、イベントでも販売したい?その分もまとめて印刷するよ!」
という商売があるのですよと…。
男性向けだと大部数売れると見込まれたような作家さんに声がかかることがあるらしい。
女性向けは最近になってそういう話を持ちかけられるケースが出てきたらしい。
ちなみにオリジナルじゃなくてパロディ(2次創作)であることが多く、無駄に豪華(ハードカバーにケース付きが豪華かどうかはさておき)仕様で作られることもあるらしい。印刷もいわゆる同人誌印刷所じゃなく商業向けの印刷所を使うことが多いらしい。

実は唐突に登場した某同人系書店の名前と、そことは別の同人書店で専売!と謳われ販売されていたところから、今回の話はこっちなんじゃないかと思ってるのです。 

こう言う商法で作られた同人誌は一般書店に並ぶことはまずない。でも、それなりの部数印刷するので、まあ派手に展開されるよね。でも同人書店と即売会でしか手に入らないから同人誌=ファンアート扱い。
これはこれで別の問題があったりするんですが(勝手に原稿からグッズ作られてセット販売された挙句、売れなかったからといって突然返品で何十箱という箱が着払いで送りつけられたとか……本だけならその箱数にならなかったけど、勝手に作られたグッズも返品されたので箱数がめちゃくちゃ増えたとか)、この同人関係商法をアウト!とすると、同人書店委託すべてがアウトとか、商業印刷所使ったらアウト!とかって話になって、いやいやいやそれは違うでしょみんな使ってますよね一般商業印刷所という反論ができてしまう。

あ、いまさら遅いですが、問題のサークルさんを擁護する気もなければ批判する気もなかったりします。
ただ、こう言う方法でそこの印刷所を使う(というか、こっちの意思とは無関係に指定される)ことはありうるのですよと。
実際はどうだったのかは本人と関係者しかわからないでしょうし、このやり方で印刷した本が「同人誌=ファンアート」とみなせるかどうかは人それぞれな気もしなくはないんですが。
……男性向けだと後者ケースな同人誌って色々聞いてるからなあ……。 

あと、ハードカバー上製本仕様だと自動的に商業一般印刷所の使用を余儀なくされるけど(同人印刷所でできるところあったら教えて下さい…。昔どこかが対応してた記憶があるのですが、そこは潰れたのか問い合わせで対応に変わったのかで、最近その話を聞かなくなったので…)、それでもファンアート=同人誌は成立すると思うのですよ。少部数ではなかなか請け負ってくれないし、ぶっちゃけ普通の同人誌印刷よりも0が2つくらいは増えるのでよっぽどの大手サークルか、赤字前提でサークル記念誌!みたいなノリじゃないと、まずやらないと思うのですが……。
※ツッコミいただきました。ありがとうございます。
現在でも緑陽社さんくりえい社さんでハードカバー上製本つくれました。ただ、どちらも価格はお問い合わせくださいなので、普通の同人誌印刷よりは0が1つは確実に増えるんじゃなかろうか。あと、この2つは自費出版や商業印刷なども行ってる(はず)なので、価格的に他のルートより安くなるかどうかはわからないです。
ついでにコーシン印刷さんも上製本できるそうですが、該当ページが同人誌印刷ではなく「ビジネス向け印刷」側にあったので、つまりはそういうこと。商業印刷もやってるオフセット同人誌印刷所だと問い合わせればできるところは他にもあるかもです。失礼いたしました。



余談ですが、パブル期の同人誌の大手サークル(超有名ドコロ)の同人誌は装丁がむちゃくちゃ豪華だったと聞いたことがあります。私、バブルはじけた後の同人デビュー組なんでその頃の状況は話に聞くだけなんですが、90年代(一般)古本屋で同人誌在庫フェア的に大量に同人誌の中古販売もしていたところが地元にあって(そこはすでに潰れてる)そういうところでハードカバー上製な同人誌は見たことありまする…。当時作家に詳しくなく、好みのジャンルじゃなかったので買わなかったんですが、もし買ってたら…と最近思うようになった程度の中途半端なロートルでございます。