書きたい記事が2本ありますが、1度に書くだけの余裕はない!(宣言)
(もう1本は随分前に似たような話をしてるからというのもある)


そもそも、なんで腐女子だけが隠れること、腐女子趣味妄想を自粛強要され、男オタクはエロ妄想をバンバン喋っても誰にも咎められないのか。

……特にネットではそういう傾向が強いけどなぜなんだ!?

という話がありまして。

腐女子ヘイトには、「ネットは男だけの遊び場」みたいなホモソーシャル意識が2ちゃんねるを中心にあって、「腐女子はあとからやってきた新参者だから自重するのは当たり前」みたいな意識は感じる
(@kanose) 

と言われて、フーンと思う私がいたりいなかったり。

 

確かに、パソコン通信時代だと女性は少なかったかもしれない。
いや、あくまで私の感覚なんですが。ただ、パソ通の時代って、男でも女でも、そういう世界に通じてる最新鋭の人=マニアがやってるものというのがあって、普通の男性でも結構ハードルが高かったんだよね。
つまり、選ばれた人感が心のどこかにあり、選ばれた人達同士で…たとえ世間に疎まれようと、こういうことができるのは自分たちだけ!っていうよくわからないプライドがあったのよね。

で、Windows95が発売される。
これがパソコンやインターネットの普及の初手だと言われてる。
このとき、パソコン通信からインターネットに主流が移動していくんだけど、そもそもいくら庶民がパソコンを買うようになったからって、一人一台なんてことはなくて、せいぜい職場に1台とか、一家に1台とかそんな感じ。しかも、電話回線からの通信で、ネットしてる間は電話してるのと同じ=回線が1本しかないと電話はかけられないし、かかっても来ない。ついでに長くネットすればするほど電話代もかさみ(もっというと、この頃のインターネットのプロバイダ使用料も時間で請求だった記憶がある)、電話代の請求が気がつくと6桁になって親に怒られると。
……これはパソコン通信も似たようなもんなんですが、この辺女性は「インターネットは道楽」「アレは仕事で使うから許されるもの」という刷り込みがされていた気がします。
(それを言うと、同人誌制作も金がかかる道楽なわけですが、ただでさえ少ない給料を同人誌制作や購入につぎ込むとネット代なんか払えないわけで、しかも機械操作( )を覚えるのはめんどくさいし…みたいな感じで、ネットは二の次三の次だったんですわ)
(じゃあ男オタクは?って聞かれるんですが、その頃のネット層って大学の電算室に「自習」名目でこもってネットして遊んでるとか、会社の回線につないでやってるとか、そういう人が多かった気がするのよね。もちろんハマると自宅に回線引くことになるわけですが、それが出来たのは裕福な独身社会人ばかりな気もする。バブルの恩恵もまだ残っていたし)
という形で、「ネットとは特殊な世界」という刷り込みがどこかしこにされていたのは事実です。

WindowsXP以降くらいから一家に1台が一人1台になっていった気がするんだけど(といっても未だに自宅パソコンは一家に1台な家庭は多いけど)、このころからADSLや光回線が庶民の手にも届くようになり、インターネット使用料は電話回線・プロバイダ共に定額となっていく。そうやって誰でも気兼ねなく使える=普及してくると当然お金を気にしがちな女性もネットをガンガン使うわけで、選民思想にあふれたインターネットの世界が根底から崩れてくわけですよ。
ネットを自力で設定できる程度の能力がある人だけが使える「世界」の崩壊というか。

Windows95くらいまでは、ネット世界に自力で入れる、それはその程度自分で調べる能力があるって前提があり、だからクレクレ厨教えてちゃんは嫌がられるわけで。
大学などでパソ通やネットやってたということは、大学行けるだけの学力と(親の)財力があり、女性の大学進学率もそこまで高くなかった(現在と比較して)時代においては当然「自分は賢い人!」ってのがあるわけで。

そういう「特別な人だけが使える世界」が崩壊してからが、みんなの知る今のインターネットの世界なんですわ。

私はパソ通時代はやってなくて、インターネットからの人であるわけだけど(最初に買ったMyPCがWin95)(とはいえ、私がその前使っていたワープロにはパソコン通信ソフトが入っていて、別売りモデムさえ買えばパソコン通信には入れたので、そのへんは知ってた)、その頃のネットは隠語も飛び交っていたりして、例えば「今月みかか代が6桁でさあ」「6桁ならまだ甘いよ」とか、「ぬふわkm/hくらい楽勝でしょ。男ならふわわkm/hで勝負」とか。
(少しわかりやすいような書き方にしてます。当時はkm/hとかもつけてなかった気がするし)

……今書き出して気づいたけど、みかか代(注:わかってる人もいるかと思いますが、NTTに支払いする通話料のことです)の6桁7桁自慢って、今のモバゲー廃人がいくらつぎ込んだか自慢とそっくりだよね……。
んでもって、ぬふわとかふわわとかのあたりも(注:ぬふわ、ふわわともにわかんない人はキーボードをよく見よう!みかか=NTTと同じ理屈だよ!)、今の犯罪自慢とあんまり変わんないんだよなあ……。
やっぱそのへんは変わってないんだなあ、人間(オタク)の特性として。

話がそれてきたのでちょっと戻す。
インターネットが「特別な世界」から「普通の世界」になったとき、やっぱり昔の「特別な世界」がほしい!そうじゃないと居場所がないし!という人たちは当然現れるわけで。
だけど、普通の人も入り込んでくる。
そういう世界になってきたと察知したときの行動が、男女の特性で分かれてる気がします。

一般の日常世界とネットの世界は同じだから、今までの日常世界と同じように恥ずかしい(と思う)腐趣味は隠すべき!と考える腐女子。
ネットの世界は匿名で、HNと中の人が一致してる人は実際に会ってる人だけ、世間にはわからないんだから別に今まで通りでいいじゃん!という男オタク。

なんとなく、このへんが「腐女子趣味は隠すことを強要されるけど、エロネタは普通に飛び交ってる」という謎の1つな気もします。
……ちなみに2ちゃんねるはホモソーシャルってのは、ちょっと外れてるかもしれない。
このへんは板の特性でいろいろあるんだけど、腐女子が集まってキャッキャウフフしていた板も昔からあったのよ。ただ、当時から住み分けはされていた気がします。腐女子ネタ…つまりBLネタはOKかどうかで議論になったり、そもそも同人と原作ネタはスレッドや板で区別されていて、原作ネタのところで同人話をしようものなら「板違い」といわれることも普通にありました。男向けの板でも。
……まあ、2ちゃんねるはあめぞうからの移行組が最初多くて、あめぞうはたしかに女性向けのスレッドはなかったからなあ…。
(女性向けなコミュニティをネット上で形成していた掲示板とかはあったんですが、小さいものが乱立していたイメージではある)

腐女子はネットでも隠れるもの!と言ってるのは当の腐女子が多くて、自分が最初にそれを感じたのは「ナマモノは隠れるべき!」だった気がする。あれは90年代末期くらいだったような。そういうサイトを運営していた人がネタ元事務所に見つかって、ライブ会場で捕まって事務所連行され、ネタ元が「哀しいです。ボクのファンじゃない」とかってVTRを見せられ、泣きながら「2度と同人活動しません。ファンもやめます。ライブにも行きません」って誓約書かされたという話が流れてからな記憶があります。
(今となっては真相を確かめようもないが、これは都市伝説なんじゃないかと思ってる)
で、最初はナマモノ系だけだったのが、他の同人ジャンルにも強要されるようになったのは結構すぐだった記憶もあります。原作者が知ったら、出版社が知ったら同じことが起きる!的な。
いわゆる隠語(15とかグーハーとか虎兎みたいなの)はその前からあったんですが、その上で検索よけタグを貼るとか、そのものズバリの名称を記載しない、する場合はスラッシュを挟んだり●で伏せるとかってルールの強要は21世紀に入ってすぐ位だったような記憶が…。その前から検索よけした同人サイトはたくさんあったけど、「検索避けしてないサイトとはお友達になりません!」とか言い出す人が増えたのがその辺りだった記憶があります。
……Yahoo!の検索システムがディレクトリ型からロボットエンジン型のみに代わってから、検索よけ云々はうるさくなった記憶がある。 ロボットが全部見つけて原作者に通報しちゃうのよ!みたいな。
ああ、思い出した。
ディレクトリ型とロボット併用時代、勝手にディレクトリに登録されちゃう事件があって、それで検索よけ云々がうるさくなった記憶がある。ディレクトリはリンクたどってるだけで勝手にたどり着いちゃうからね。知らない人場ポチポチクリックしてったら同人サイト!ってことがあって。
……個人的には今のようにディレクトリサーチが全滅し、ロボット検索型になった今、そこまで目くじら立てなくてもいいんじゃないかな―だってその単語を入力しないとたどり着きにくいし。みたいには思ってます。

……なんかタイトルとかけ離れていくなあ。まずいまずい。

そろそろ結論。
ネットはもともと男のものだった、それを私達が後から入ったってのは、ある側面では正しいんだけど。
腐女子自重圧力は別のところから来てるんじゃないかな?と思います。
そして、それは2ちゃんねるではなくて、別のもの…例えばYahoo!の検索システムとか、パソコンを使える環境の変化とか、「一般社会」の考え方の違いとか、そういう要素も無視できないと思うのです。

最後に。
Facebookに代表される実名文化(あえてこう書く)がインターネットに入ってきて、その世界がものすごくきれいな世界を強要してくるのね。スーツでビシッとしてなさい!みたいな。
ある意味オタク界隈どっぷり浸かってるとあの世界はあの世界で同調圧力がひどいというか、とくに匿名は気持ち悪い!実名だから安心できる!なFacebook女子も、彼女たちの理論で彼女たちのルールに対し同調圧力をかけてきててそれがすごく気持ち悪いと最近感じてるので(じゃあなんでFacebookやってるの?→仕事上強制的に…)。
ネットとか実社会とか、腐ってるとか腐ってないとか、そう言うの関係なしに。

女っていう生き物は、群れると自分たちの理論とルールに則って、他の女性に対し「同調圧力」をかける生き物なんじゃないかなあ。
ネットでの腐女子隠れの原因に2ちゃんねるだのなんだの持ってくるのは、「都合のいい理由」なんじゃねえかなあとぼんやりと思ってたりはしてるのですよ、ハイ。 

あ、そういう同調圧力から逃げた女子が別のネットワークを作ったとき、やっぱりそこで同調圧力を他人に強いている…という現実もある。
男はどっちかというと同調を必要としない圧力を掛ける傾向あるなあ、個人単位で(同じ方向を向いてる人が大勢いると群れて物を言ってるようには見える)。