オタクで町おこししたいと言われるとたいてい反対される!とか、政府はオタクを利用するくせにオタクに冷たい!とかって話がちょくちょくTwitterで流れてくるわけですが。

まあ、そりゃあそうだろうなあと思う私がいます。
ただし、それって、エロとかオタクとかじゃないのよね。実は。

という話の前に。
そういう話と同時によく流れてくる「クールジャパン」について、誤解が多いなあと感じるので、その話をしてみたいと思います。
ついでに、国や都道府県の補助金事業の話も。

「オタクと補助金って関係ないんじゃね?」
ってよく言われるんだけど、まちおこしが絡むとちょっと関係するのよね。


 

企業、もしくは団体などに対し、補助金を出すっていう政策はいろいろあります。
地域振興のために使える補助金・助成金ってのもあります。

が、まず誤解が多い話。
補助金や助成金がもらえるものというのには、決まり事があります。
それぞれ、こういうものに対し、補助金を出しますというのが決まっています。
次に、審査があるので、必ずもらえるとは限りません。また、全額もらえるとも限りません。
最後に、助成金はその事業が終わった後にもらえるケースが大半です。最初にくれるわけじゃないの。

で、な。
結構めんどくさいことに。
事業が発展するために補助金出してくれるんだけど、その補助金で儲けちゃイカンというよくわからない縛りがあるんですよ。

どういう意味がわかりやすくするために、同人イベントを支援する補助金という形にしましょう。
(実はイベントを起こすための補助金事業というのはないわけじゃないのです。同人イベントで使えるかは試したことがないんで知らない)

まず、補助金を出してくれる上限というのが決まっています。とりあえず、100万とでもしときましょうか。コミケレベルですと厳しいですが、地方イベント2回位ならこんなもんかもね。ちなみに世の中には2000万、1億とかいう補助金事業もあるけど、それはそれなりの規模を目的とするからなあ。
次に、かかった費用に対し、全額は出ません。3分の2とか、2分の1とかって縛りがあります。
たとえば、印刷費に対しての補助金は3分の2とか、出張費は2分の1とかそういうふうに決まりがあります。

それでも印刷費の3分の2も補助が出るならラッキーだよね!と思ったあなたに、「儲けちゃいかん」の落とし穴。

売り物には、補助は出ないのです。

なので、告知のために無料で配り倒すチラシの印刷費には3分の2の補助金は出ます。
が、イベント入場料を兼ねる有料パンフレットになると、補助金はおりません。
当然、イベント開催記念アンソロジーや記念グッズなんぞに補助金はおりません。 
……しかし、パンフレット無料(ご自由にお取りください)形式だと、何故かパンフレットの印刷費に補助金が降りるという摩訶不思議。
あ、記念アンソロジーも無料だったら補助金降りるんですよ、みたいな話なのです。
ちなみに、他社宣伝が含まれると補助金がおりないケースもけっこうあります。
なので、よくあるパンフレット最後の印刷所告知とか、他イベント告知が入ると無料でもアウト判定、かも!

というのが、補助金事業のくっそめんどくさい話なのです。
さらにめんどくさいのは、収支報告書を提出し、イベント開催レポートを作成し、お役人の書式に則った報告書を作り、領収書を全部コピー提出し、その上でお役人が「これは補助金対象」「これは非対象」みたいに審査してから、金額が出ます。全部終わった後から!

そういう意味で、ある程度資金があってって人や団体、企業じゃないと使いにくいのよね。
あと、書類作るのくっそめんどくさい。お役人が「これならオッケーですね」といえる書類作らないと、やっぱ補助金はなしですってなる。

ついでにいうと、そもそも補助金の名目は「これを有効活用することで、目的となるものに利益が出ること」なので、企業対象だとその企業が発展するの必要って分かる書類作らないと通りません。まちおこしの場合、「これで地域活性ができる」と誰もがその気になるような書類を作らないと通りません。
こういう「補助金くれる側の思案」と一致する事業じゃないと、補助金なんつーものはおりないのです。

で、だ。
「クールジャパン政策」ってなんだって話なんだけど。

元々は日本の魅力を海外に売り込むという政策です。それにより海外からの需要を獲得することにより、日本の経済成長を促すというもの。
よくクールジャパンはアニメと言われる関係で、オタク事業を売り出したいんじゃないの?と言われがちなんだけど、クールジャパンが対象としてる範囲はアニメ(オタク産業)だけじゃなく、伝統産業・地域産業やファッション、日本初のサービスなどかなり幅広く扱っております。
なので、AKB48とかきゃりーぱみゅぱみゅなんかもクールジャパンの対象になってるのよ。最近だと、テルマエ・ロマエとか、劇団四季、宝塚歌劇団なんかも視野に入ってるらしい。その一方で、伝統工芸(陶器・漆器・織物など)も含まれるし、ラーメンやら寿司やらの食品もあるし、日本の学校教育のあり方から公共交通システムまで含めるという壮大さ。

……なので、別にオタク産業は芽があるのよ。
なにせ、クールジャパンの審査会は、実はニコニコ生放送してるレベルだし。

ただし、海外に売り込むことで日本の経済を活性化させるって辺りを考えると、アニメを作ることじゃなく、アニメを海外に売り込むことにクール・ジャパンを当てることになる。売り込んだ結果を作った人に還元せよって話にはなってるけど、そこはほら、売り込む人が売り込むことで全部使いましたあはは、あとは勝手に還元されるはずです!って言い切って終わりなわけ。これも、売り込むための宣伝や作るための機器購入、サンプル作成費用などに使うという名目があるため。
……ちなみに、このへんちゃんと作家に還元される仕組みを作った上で申請書を作ってるところがないわけじゃないです。ただ、それにしても、孫請けまでいくかどうかはわからん。特にオタク産業系のクールジャパンの通らなさは半端無いので(大半が書類不備です。オタク産業だからじゃない点に注意)。

で、だ。
クールジャパンの場合、補助金ではなく、融資になります。
いくら融資してくれるかは、その事業の規模によります。そして融資なので、先にお金くれますが、後で返さないといけません。ということは、返してくれると思った事業にしか(=儲けてくれると思う事業にしか)クールジャパン政策の融資はされないということです。ついでに融資だから、利息がつくよ!それ込みで返さないといけないよ!だから儲けを当ててくれないと困るのよ!
(もっとも、クールジャパンの場合、融資なのである程度使い道に融通がきくと言えなくもない。ただ、社員の給料に当てたり、製品の材料費にしたりはできないのよね……)

……ちなみに余談ですが、クールジャパン政策に認定されたものが本当に儲けているかというと……以下略です。要するに、国益につながり、なおかつ儲かりそうなプレゼン書類がすべてってことです。
しかも、借りたお金は返さないといかん。当然経費含めた報告書は必要だ。

超めんどくさいね!(キラッ


とはいえ、うまく使えば補助金やクールジャパンは武器になります。なにせ、国や都道府県のお墨付きがついた!ってのは、一般人にとっては黄門様の印籠を持ってるくらいの威力があるのです。ネット世界に生きているオタクには全く通用しないどころか、むしろ口撃の的にされてる気すらしておりますが。

……が、この手の補助金事業やクールジャパン書類作成に関わった人間から一言言わせてもらう。

超超超超めんどくさいので、マジおすすめしない。
美味しい話が故に、めんどくせえ。
相当なプレゼン能力要求されます。仕事にならないレベルの書類作成を必要とします。
……だから、それ専門のディレクターとかコンサルタントが存在するんだよねってレベル。

なので、お墨付きに見合ってるかどうかっていうと、どうなんだろう……とは思うよ。
結局、金儲けが目的なんだもん。