東京駅のSuicaで徹夜大発生徹夜組勝利途中でその日の販売中止っていう自体が起きた関係で、一部の方々がピリピリしております。
……このSuica問題、駅員が悪い、いや徹夜する人が悪い、限定販売が悪いみたいな話をしてる人も多いんだけど。

まず、メカニズムというか、深層心理を把握しておかないと、対策方法もへったくれもないんだよ。
そして、この考え方は、コミケの徹夜問題においてもあまり変わらないと思うんだよね。

 

徹夜行為をやる人たち側を考えるに当たって、まず思い浮かぶのは「欲しいから」。「自分がほしい」場合もあるし、「売れる=転売しても受けたい」って場合もあるでしょうが、まあ、確実に欲しいからやるんだよね。
次に「徹夜は違法じゃない」ってのがある。
……徹夜先頭が高校生だったんで「青少年育成条例違反じゃないか」と言われるんだけど、この条例の罰則って保護者と徹夜する元を作った店舗に来るんだよね。実は、該当高校生は罰せられない。親が怒られても、そのお店が潰れても、本人が怒られないとまず反省することないんだが、何故か「親の監督責任」ってわけなのでなあ。
それ以外に、徹夜することに関する法律はない。あってたまるか。徹夜そのものは別に犯罪行為でもなんでもない。これが「私、悪いことしてない!」意識につながるわけ。
※ちなみに:未成年が徹夜でイベントに並ぶ場合、イベント運営者が罰せられることもあります(青少年育成条例違反を先導したとみなされた場合)。故に「特に未成年は徹夜禁止!」と言われるわけで。まあ、それ以外にも色々問題はあるんだけどね。
最後に「みんなやってる」。この「みんな」ってのは、参加者全員という意味じゃない。「目に見える範囲で自分と同じこと考えてる人が複数いる」程度で「みんな」と扱われます。群衆主義だな。

「とにかく欲しい」「自分が罰せられる法律はない」「自分以外にも何人もやってる」のコンボで心的ハードルは皆無となるのが、買い手の真理です。
逆に考えると、1つでも理由が崩れると、徹夜する人は激減するわけだ。

ただし。できることとできないことというのがある。

罰せられる法律を作ればいい!が一番効果てきめんなんだけど、どう考えても徹夜に対して刑罰を与える根拠が見つからない。今回の東京駅のような「(中止宣言の後の)破壊行為」については何らかの根拠で該当者を罰することは可能なんだが、 徹夜そのものの罰じゃない。もっというと、あそこで暴動起こしてたのは徹夜組ではなく、徹夜組のせいで買えなかった始発以降組なので、更に徹夜組大勝利になってしまう。
「徹夜行為そのものが治安を悪くするため、治安維持法により逮捕!」とかネタで考えたんだが、さすがにそれはない。法律の名前はどうでもいいんだが、日本って国は真夜中に一人でうろついていても何も起こらないくらいに治安の良い国であり(一部地域日時でトラブルは起きているものの)法律で取り締まらねば日本の秩序が乱れてしまう!なんてことはない。 
結構真面目な話、「24時間営業禁止!夜勤禁止!23時以降の労働は全て国の許可制!それ以外は全部違法!」くらいにならないと、徹夜「しただけ」で罰せられる法律づくりは無理なんじゃなかろうか。

次に考える……というかみんな考えるのが「限定発売だから無理しても欲しがる奴が出てくる。だから、欲しい人みんなに行き渡るようにすべき!」という考え方。
コンボを潰すという意味では、一番お手軽そうに見える。なにせ、「買い手」としては「相手が悪い」の論理で通せるから、自分たちが何をしてても全部他人のせいにできるからね。
ただ、買い手としてはそれが理想なんだろうけど、造り手としては死活問題だ。「在庫」という問題がある。在庫というのは「資産」になってしまうため、どれだけ売れなくなったとしてもマイナスの資産として残る。「そんなの廃棄処分すればいいじゃない!」というが、物理的問題はそれでいいんだけど、経理上はそうはいかない。資産は勝手に処分できないのだ。
(このへん、「売れ残った同人誌は会場のゴミ箱に捨てるかエコサリオでOK」みたいな趣味世界とは違うのでござる)
というわけで、企業としては「売れ残って余るよりは、足りないと言われようと売り切りたい」が本音である。企業というのは利益を出さなきゃ成立しない。赤字決済は「悪」であり「恥」なのだ。
※このへんも、「赤字で活動こそ正義!」な(特に旧来の)同人作家の考えと食い違うのよね。同人誌も赤字でやるべきって言われるとげんなりするんだけどさあ。
「売れ残ると問題なら、受注生産すればいいじゃない!」という考え方もある。確かにそれなら売れ残りは出ない。実際問題、一部商品はそういう販売方法を取っている。
ただ、これも「最小ロット数」という問題があることを忘れるとめんどくさい。
同人誌で考えよう。今でこそオンデマンドで1冊単位から印刷可能だが、昔のオフセット本は最小単位が100冊からというところがザラだった。これでも一般印刷所に比べたら少部数なんだが、100部ですら売り切ることが大変な人というのはそこそこいるはず。 グッズなどの最小ロット数がどのくらいかは作ってくれる会社や作るものによって変わってくるが、受注生産して最小ロットに満たなかった場合、作っても赤字覚悟なわけだ。赤字前提で企業が製品を作るか否か。残念ながら無理である。企業は慈善事業じゃないのである。
ついでにいうと何らかの魅力があるから「みんな欲しい」のである。魅力がなかったらほしがらない。最小ロットすら捌けないっていうのはそういうことなんだが(同人作家(私含む)にブーメラン)、それは販売しないとわかtらないのである。多分売れないだろと思ってちょっとだけ作ったらあっという間に完売してしまってあわわするとか、サークルならわかるだろ!(経験談)そして再販したら全く売れなくてそのまま赤をかぶるとか、やったことあるサークルならわかるだろ!(経験談パート2)

ちなみに、余る程度に作ればいいじゃない!戦略を押し付けるとどうなるかというと、もしかすると自分の親の会社が倒産するかもしれない。自分の会社が倒産するかもしれない。その結果、お金は回らなくなる。消費されない。倒産する。連鎖。欲しいものは二度と生産されることはない。ってことは普通によくある。自分は関係ない世界に生きている!と思わないほうがいいです。どこで何がどう影響するかわからないし、それが今の日本経済のデフレ脱却を阻止してる遠因でもあるので。

となると、残るは「自分以外にも何人もやっている」なんだが。
これが有効なのは初期の段階である。ぶっちゃけ、何十人も集まってからでは無意味。その程度の人数差で、多勢に無勢となってしまうからだ。
(小さいコミュニティで例えると、ヤンキーとかの犯罪行為な。カツアゲとかって大人数で一人とっ捕まえてやるから出来るわけであって、あいつら一人だとなかなかやりませんよ)
そして、集まってから散らそうとすると、暴動が起きる。 正義というものは数である。法律論でも神による神託でもない。多数決で勝ったほうが「正義」なのである。徹夜における正義は、徹夜で集まった人数と徹夜を「その場で」阻止する運営(企業)側のパワーバランスで決まる。はい。真夜中にどれだけの人が割けるのか。
(といって、徹夜を阻止するために集まった人たちが徹夜で徹夜組と戦うのも、本末転倒である)

この数のパワーバランスを崩せるのが「警察」の存在だけど、警察がお出ましになるとどうなるか。
はい、イベントの中止です。
(もっとも、警察官がイベントの中止を強制する権限はありません。イベント中止は主催者しかできません。やってもいいけど主催者逮捕してもいい?それとも逮捕されたくない?(その代わりに暴動した人はこっちで逮捕できるよ)の2択を迫られたら、みなさんどうしましょうね)
#消防署は?と聞く人、あれは中止権限あるけど、また別の理由なのでスルーな。

ということは今までみんな色々考えていて、あっちが立てばこっちが立たずのままずるずる来ているのです。

買い手は買い手の「正義」でしかないし、販売元は販売元の「正義」でしかない。
両立させるいい手法があったら知りたいんだけど、さんざん考えぬいてこのザマなので、どうにもならないんじゃないかなあ。今後も。

という、悲壮感漂う何かで終わる試み。