昨日ツイッターで回ってきて、ちょっとRTしてみた「同人誌が売れないのはディスプレイのせいだ!」というnever記事。
いやあ、世の中、そういう何かのせいにしないとやってられない人ってのはいっぱいいるものです。しかたないね!

でまあ。読んでみまして「……断言するのはいいけど、この人の実例だけだよね」みたいな気分になった何か。
こう言う話というのは、その人のジャンルといいますか作風といいますか、参加イベントによって変わってくるのです。一概にこのやり方が正しい!ってのはないのです。

というわけで、逐一ツッコミを入れるというただの嫌味な暇人の真似をして見る試みでございます。

 
第一印象が最悪だと終わり

……わりとまじめに、これはあります。
スペースの前を通って「あ、読んでみようかな」とか「あ、ここが探してたサークルだ」ってのがわからないスペースは素通りされて終わりです。そういう意味で、第一印象は重要です。ハロー効果はある。
ただし、元記事のベースになってる記事が「ハンドメイド系で高く売れるためのコツ」だったりするので、同人誌のスペースそのまま当てはめるのは割と難しいです。 

まず、あなたのサークルは「サークル買いが多い」か「他サークル回ったついで買いが多い」かで話が変わってきます。また、あなたが何のイベントに出ているかでも話が変わってきます。
サークル買いが多い読者を抱えてる人は、ぶっちゃけあなたのサークルがどこにあるかさえPRしとけばあとがむちゃくちゃでも全く問題ありません。こう言うサークルは数少ないんですが。
予算が余ったら買ってもらえる系サークルは、そんなサークルは多々いるわけなので、「競争に勝つ」か「競争相手が少ないイベントに行く」かで戦略が変わるわけでして、やっぱりケースバイケースなんだよね。

敷き布問題

女性向け…というか女性が多いジャンルですと、「敷き布を敷くのが当たり前」という感覚な方が非常に多いです。綺麗に使いましょうという意味の他に「足元のゴチャッとした感を隠す」「座ってるとスカートの中が見えるかも問題を解決する」などの理由もあります。いや、敷き布の有無に関係なくスカートの中覗こうって考える人皆無なんですが、そのへんは心理的な問題ですよ。
で、敷物を敷くのが当たり前ってエリアにおいて、「敷物を敷かない」ってのは「まともな準備もできないサークル」と(買い手ではなく)別のサークルのお局様が決めつけ嘲笑してもいい!みたいな空気になりがちなので、敷物は用意したほうが良いのです。
このお局様問題はとにかく目立ちすぎて不評を買うと学級会なので、「可愛くておしゃれな柄だと変なヤッカミを買うことがある」という理由で無地が推奨されがちです。
そんなの無いだろって?ラメ素材の敷物敷いてたってだけで「あのサークルお水っぽいいかがわしいジャンルイメージ潰しやがった最悪!」って学級会案件上がってきたことあんねんよ(私じゃないんですが)。あれを見てると、ほんとおおおおおに人間不信になるよ。

ただし。
必ずしも敷物がないと売れないかというと、そんなことはありません。特に創作系とか男性向けとか。
男性向けとか、敷物の有無だけでどうのこうのはまずないですね。
確かにサークル名をでかでかと入れたりキャライラストデカデカと入れた専用敷き布の効果はデカイです。目立つので。男性向けで敷き布敷かず本も1種くらいしか無いサークルだと、特殊レイアウトを除きやる気ないよねきっとつまらないよねって思われて立ち止まってもらえない確率は一気に上がります。

個人的には、敷き布はあったほうが良いです。というか、机の前になにか垂らすようにした方がいいです。
っていうのは、スペースの内側にあるダンボール記載の個人情報を隠すため。どこに悪用する人がいるかわからないから。あと、盗難する気力を少しでもそぐため。やっぱ金目の物が見えてると悪いこと考える奴はいるんですよ。
なので、模様とかについては割とどうでもいいと思ってます。無地のほうが使いやすいとは思いますけどね。
ただ、みんな無地の敷物使ってるところで目立つ柄敷物って言う戦略はあり。もっというとみんな敷物使ってるならあえて敷物を使わないことで目立させるという戦略もありなのです。

手書きPOPとスケッチブック

根本的な問題として、この手のものがダメって言われる理由は「読みにくい」「個性と雑をごっちゃにしている」からにつきます。うん、字が汚いんじゃなく「雑」なのを「れたりんぐ()」とか「個性」って言っちゃう人多いんですよ。
なので、センスのある人の手書きPOPは人の目を引きます。
スケッチブックも「下手な手描き絵とか殴り書きで雑すぎる鉛筆書きなのは効果ないよ」って話であり、丁寧に書いたカラー彩色のスケッチブックとかは全然問題になりません。むしろ売れます。スケブ厨もよってきやすいですが(ぁ。

……個人的には、自信ない人はパソコンで作っとけでFAなんですけどね(ぁ

同人誌そのものの問題

机上の本の種類が少なすぎる、多すぎると売れないってのは、割とその傾向があります。
少なすぎると、その本の表紙の完成度だけで立ち止まるか決められちゃうし、多すぎると目移りした結果ヘボな本に目が止まったらそこでスルーされがちだからね!(普段既刊が大量にあるサークルより)
ただ、この辺ジャンルの問題もあってですね。
新興系二次創作ジャンルは、あえてそれしか置かない勝負というのもありです。
創作系や評論系はあえてたくさん置くことで、作家感(すごい人感)の演出ができます。

コピー紙についても同じことがいえます。
やっつけ鉛筆落書き本も、壁レベルサークルの本ならみんな買います。
配置は島中であっても、急に人気が出たサークルの本なら買います。
コピーだけど他で取り扱ってない評論本なら普通に買います。
むしろコピー本の場合、その手の本で速攻売り切れると、読者に「今すぐコピーしてこい!13時に来るから!」って言われるので危険です(ぁ
ですが、そういうことのないサークルの落書き本は売れません。
 
身も蓋もない言い方をすれば、上手い絵やキャッチーなタイトルついた本は、ディスプレイ能力にまさるのです。 

なお、無料配布本ですが。
基本的に「仕様がしっかりしてるのに無料」の本が売れるイベントは創作系のみです。それ以外のところでも、ペーパーとかコピー折り本あらすじ紹介系とかな仕様のものはもらって行って貰える確率が上がります。 
そして、無料だともらうっていう人たちの存在はいるので、そういう人たちに存在を知って貰う必要はどうしてもあります。これは当日のディスプレイでどうにかなるもんじゃないけど。

陳列の問題

……たしかに新刊が目立たないサークルはわりと困るかもしれません。特にサークル買いしてる人たちからすると。
ただ、そのサークルに始めてきた人からしたら「すべてが新刊」のようなもんだから、新刊というか「今日イチオシ!する作品」「自サークルの特徴が出ている作品」がどれか、わかるようにすればいいとおもいます。はい。 
あと、本の段差がないってので困るのは、都産貿の机全面びっしりに並べてるケースくらいで、コミケの45cm幅だとあんまり関係ない気がします…。

なお、「売れている感」を出すと売れるってのは人間の心理としてガチであるので、最初は山のように机に積んで、1時間経ったら机の上の山を極端に減らしてもう少しで売れそう感を出すってのは有効です。まっ平らにすると売れないってのはそこ。凸凹してるとなんか売れてるように見えるんだ、これが。
……学級会が強いジャンルだと、割とフルボッコくらいやすいのでそのへんはジャンル空気を読んだ上でやるのをおすすめしますが。

ちなみに、机の山を減らして売れてる演出をする場合、既刊が多すぎると減ってるように見えません。最初から既刊を少なくすればいいんじゃね?って言われるのですが、既刊があること自体が演出の妨げとなりますので、すでに既刊が5部くらい残ってるのが大量にあるようなうちみたいなサークルは、既刊販売を諦めるか、あえて既刊を並べて勝負するかの2択になりがちです、ハイ。 

ジャンルとイベントによる
ここまでざっくり書きましたが。
この手のディスプレイで左右されるかどうかというのは、そのイベントの規模にもよります。
っていうのは、買い手が持っているお金は有限であるから。コミケとかの大イベントになるとそれなりに持ってくるんですが、それでも有限です。優先順位が高い本から皆買っていくので、ディスプレイ一つで売れる売れないが決まるようなサークルって、どうしても優先順位が低く、 自分たちの順番になった頃には買い手のお金がないのですよ。
なので、すごく変な話、それなりに参加者が来ている地方オールジャンルイベントのほうが都内大規模オンリーより売れるというケースが発生することが割りとあります。
もちろん、自分の作風と合っているかどうかってのもありますので、地方イベントなら必ず売れるかというとそんなことはない。男性向け(エロという意味ではない)な同人誌は、腐女子が多いイベントではやっぱり売れないしね。同人誌即売会名乗ってるくせにほぼアクセフリマとコスプレ撮影会と化しているイベントだと、そりゃあ本そのものを見てもらえないしね。
うちのサークルはだいたいディスプレイの内容がいつも似たり寄ったりな傾向がありますが、割と地方オールジャンル系の方が売上多くなることがあります。同日開催の都内オンリーと地方オールジャンルで売り物ほぼ同じで売上がオンリーの3倍売れるとか、割と凹むよ。一応都内オンリーもスペース代くらいは売れてるんだけど!
なんでスペース代安いのにこれだけ売れてるのよこのイベント。都内参加の交通費、地方オールの売上でまかなえるとか損してるじゃない!って気分になります。はい。 

このへんは、ほんとうに人によるというか、作品傾向によるとしか言いようが無いので、一概にこの方法がいい!って言えないのですわ。
だから、ダメだ!って断言しちゃダメなんですよ。
そのサークルにあった売り方を潰しちゃうことになるからね。

売れるディスプレイの作り方
基本的に、お前の本は何なんだってアピールは必要かと思います。
そして、それが通りがかりの人に通じるかってのが重要かと思います。
あとは、通りがかりの人の琴線に触れるかどうかな話なので、毎回が勉強です。
あと、売れてる本を買うのが大好きな人達ってのがわりといるので、そういう人達を騙せる目に留まってもらえるような方法を考えるのが良いかなと思います。 
その一つとしてディスプレイはあるんですけど、そもそも会場に来てもらわないと始まらないわけで。

ネット含めたPRから、売れるディスプレイ作りは始まってると思うのです。

そんなわけで、今週末19日は静岡文学マルシェというイベントに参加しております。(イベント名リンク先)
先週文学フリマ金沢新刊だった文フリ金沢スタッフ作品集を委託で持って行きます。みんなアマチュア小説や詩を書いてるのに、ガチのプロの歌人がとうらぶ短歌を詠みやがるという、本の存在を含め誰一人何一つ空気を読んでいない本があったりします。 中の人の個人誌小説は鉄道擬人化です。某石川県のラジオに出たときに紹介する機会があったのですが、なるべく公共の電波に擬人化という単語を載せないように努力したのにもかかわらず、パーソナリティのおねえさまに鉄道擬人化を連呼された挙句、その後トークは刀剣乱舞と河川擬人化しかしてないという、ある種恐ろしいことになったので私胃が痛いです(ふっかけたのは前途の歌人)。
会場はカフェですので、お気軽にお立ち寄り下さいませませ。