漫画が24~36pなんだから小説だってそのくらいで作るべき!みたいな話がプロ小説家から流れてきて、胃がキリキリしている濱澤です。おはこんばんちは。

個人的には、挿絵があっても20ページ500円の小説は高いと感じるひとが多いんじゃないかなーと思うのですが、それはさておき。

漫画にしろ小説にしろ、娯楽であり、自分にとっての新たな快楽を追求するものであるという考えに基づくと、短いほうが短時間にたくさん読めるので効率的です。自分の趣味嗜好に合う作品をたくさんの山から選別しないといけない状況においては、どう考えても短いほうが良いのです。
んでもって、たくさんの山から選別する作業をやると考えた時に、自分に合いそうだなと考える一番最初のポイントは表紙であります。ビジュアルです。小説であっても同じです。
という意味において、挿絵とかも読まれるためには重要なポイントです。
そして、見た目分厚い本は「読むのが苦手な人」にとっては手に取らないポイントになります。読むの苦手だもの。本という娯楽は目で楽しむものだもの。長い文章読むのしんどいから、そりゃ薄い本になるよねと。

という理屈はわかります。
そういうセレクトで同人誌を買う人はそれなりにいるんじゃなかろうかと思います。

ただ、逆に、装丁が稚拙であっても、いや稚拙だからこそ中身に期待するという青田買い思想の方もいますし、分厚ければ分厚いほど本を読むという満足感が得られるので厚くて安い小説最高!という文章中読者もそれなりにいるのが、同人誌の世界だと思うのです。

そんな「素人が素人として楽しむ本」が同人誌なので、いわゆる「プロ」的文章は求められていない場合もあります。 

同人誌はなぜ作るのか、と考えた時に必ず言われるのが。

「プロになるための取っ掛かりでしょ?」

……そういう人もいます。0じゃありません。というか、プロになるために、もしくはプロを見返すために、プロよりも面白いものが書けるぞ!って思って同人誌を作り始める人は結構います。そこは否定しない。

ただ、そうじゃない人も、同じくらい、いやそれ以上に多いのが、同人誌の世界だと思うのです。
何かに萌えた、誰かと共有したい、ネットじゃないの、形で萌えを残したいの!同じ物持ってる人と語り合う媒体に同人誌を!って人もいます。
自分の中に出てきた物語は商業のような戦いは向いてないけれど、でも自分の大事な子供なの!近所の公園で元気に遊ぶ程度の知名度でいいの!みたいな人もいます。

同人誌=プロを目指すたまごと考える人からすると、「なんでわざわざ?別にネットでいいじゃん」って言われるんですけど、違うのよね。 文字列やペンの軌跡の集合体じゃないの、作品なの。形あるモノで欲しいの、作品は。という考えがどこかにあって、同人誌という本を選ぶと思うのです。

自分の作品=子供という考えを持ち出すと別方面で批判が上がりそうなんだけど、ニュアンスとしては近いんじゃないかなあ。もう少し他の言い回しがあるといいなあと思うのですが。
作品をつくることは、必ずしもプロになることとイコールではないのです。 
歌を歌いたい、何か作りたい、ゲームしたい、それと同じレベルで「漫画や小説を書きたい」があるのです。そういう人は、プロってことは考えないのよね。
歌をうたうためにカラオケボックス通うとお金がかかるように、ゲームするのにゲーム機やゲームソフトを買うお金がかかるように、漫画や小説を書くにあたってお金がかかるし、書いたものを「書いた!」というために印刷費がかかるのもあんまり違和感はないのよね。プロになるためじゃなく、自分のためにかけるお金なので。

……プロになる=「売れる」と考えると、そう好き勝手は言いにくい面もあります。自分の思うがままの作品が売れるとは限らない。綺麗な服を着せて「こんないい子がいるよー!」とアピールしないと見てもらえない。そして診てもらうならば、それなりにしっかりした子(作品)でなければ受け入れられにくいかもしれない。
もちろん、ありのままの作品が受け入れられる人もいます。むしろ今までどおりのあなたでいて!って作品もあるでしょう。それは幸せなんだけど、ごく一部なのよね。

ありのままの私(作品/同人誌)を受け入れてくれない(=売れない)世の中は!と愚痴ってる人を見ると、「売れるための努力しろよ」と売れる人は言いがちです。売れる人はそれなりに努力してるし、まあわかる。そうやってプロになった人もいるし。わかる。
わかるけど、いやあいいってもんじゃないよねとも思う私がおります。

ちなみに。
小説や漫画で仕事をする、プロになるってのは、実力もある程度必要かもしれませんが、「タイミング」「運」「フラグ活かせるかどうか」って気がするのです。これは自分の経験談でしかないのですが。
……私より面白い文章かける人いっぱいいますし、この人このレベルキープできるならあっという間に人気ライターや小説家になれるよね!って思う人いっぱいいます。そういう実力があっても、本人にその気がなかったらプロになることは一生ないし、その気があってもフラグが立たないと、そして立ったフラグを折らずに活かさないとそういう仕事につくことはないんだよねと思うのです。
まあ、もっとも、私がプロのライターかというと割と微妙なんですが……。んでもって、同人誌でやってるあれこれとお仕事で書いている文章がまったくもって傾向が違う上に、文章書きのお仕事をもらったきっかけにほぼほぼ同人誌の内容が絡んでこないので(むしろ絡めてPRしたところほどご縁が無かったりする)、同人誌の製作を即プロ!みたいに考えるのは意味が無いんじゃないかなーと思う一人だったりします。