蒲田のコスイベにおいて、区の補助金を使って運営してまっせーという情報が流れ、補助金使って同人イベントってどうなの?という意見がごくごく一部に流れております。
私個人としては割とどうでもいい(イベントの中身が重要故に)んですが、まあ気にする人は気にするよねと。

そもそも、趣味である同人文化を税金投入してやるもんじゃない、文化とは税金で作るもんじゃない!という意見がわりと根強いかなと思います。まあ、わかる。

ただ、話を聞いてると若干勘違いしている人たちが見受けられるので、この「補助金」というものはどういうものなのか、ざっくりと説明しようかなと思います。

あ、この説明は「補助金投入でイベントをやること」において「肯定」も「否定」もしていません。
※補助金事業のお手伝い(Not同人Not趣味系)やらされた経験から言うと、あんまり割に合わない気がするんだ、よなー……。

 

補助金・助成金というものは、国や都道府県、市町村などからもらえるものです。

まず、当たり前の話ですが、もらうための条件というものがあります。
……条件も補助金によって色々変わるので一概にこうとはいえないのですが…。
この手の補助金は企業だったり団体(NPOとか任意団体とか)に対して支給されます。
起業したての人に対してだったりというのもあったりはします。個人事業主に支給されるものもありますよ。

つぎ、応募しないともらえません。そして、審査があります。締切は厳守です。
申請したら全員もらえる家庭向けの補助金と違い、募集要項にあっているか審査を行います。これはその企業に対してというより、事業に対して審査すると思ってください。
事業…要するに、コスイベとか、即売会とか、そういうことね。
ついでにいうと、ただ単にコスイベやりたいので補助金くださいと言ったところで審査は通りません。例えば、イベントをやることで地域が活性化するという資料を作って「地域活性化のための補助金事業」に応募するのように、送り先も吟味する必要があります。強引に募集内容に合致させるという力技もないわけではないのですが、めちゃめちゃオススメできません。あ、あと、補助金によっては審査に面接のようなものもあります。
面接があろうとなかろうと、書類は必須です。この事業がどれだけ素晴らしく要項に合致したもので、そのために補助金が必要なんです!という理由をお役人さんに理解してもらえるように書かなければいけません。オタク的な理屈ではダメです。その業界のルールとかでもダメです。
追記しておくと、補助金対象企業数(もしくは補助金総額)に上限がありますので、応募がたくさんあるといわゆる「抽選漏れ」のような事態も発生いたします。書類が完璧でもダメなときはダメ。

そして、補助金と言ってもなんにでも使えるわけではありません。
補助金も2パターンあるんですけど、1事業に対し定額(100万円とか)なタイプと、上限が決まっていて事業にかかった費用の一部を補填するタイプ(上限100万円、補助3分の2とか)があります。補助金が発生する経費に制限があります。例えば会場費とか、広告費(チラシ・ポスター代とか)。何でもかんでも補助してくれるわけではありません。
ついでにいうと最初に必要な経費を「予算」として提出します。その予算上の金額以上はもらえません。
(上限100万円でも予算上で経費の3分の2が80万円と書くと、実際オーバーしても80万円が上限となります)

んでもって。イベントが終わった後に報告書を提出する必要があります。締切は厳守です。 
当然、経費について調べられます。金額が大きい補助金であるほど、経費調査はうるさくなります。ちなみにですが、その経費の正当性や相見積もりなどで、経費は安くあげるようにいわれます。まあそうだよね、税金だもん。無駄遣いなど許されません。

最後に。補助金がいつもらえるかですが、この報告書を提出し、認められてからです。要するに後払いですね。
報告書がいい加減ですと補助金が取り消されたりもします。経費関係の書類がないと却下されます。

大抵この手の補助金というのは「新規事業」とか「起業家」とか「新製品」とか「新規顧客開拓」とか、要するに「初めてやるものに対して」与えられるものが多いです。初めてというのは失敗しやすいので、事業が失敗しても会社としては潰れないようにするという措置だと考えてください。もしくは新規チャレンジを「金が無い」という理由でやめないようにするため。
あと、補助金対象期間は半年~5年10年といろいろあります。5年であっても毎年申請書を出し審査してもらわないと駄目なケースが多いので、書類作成が補助金事業をやってる間延々と続きます。

というわけで、個人主催には縁のないものだったりします。

コンサルするための助成金ってのもあったりしますし、専門家に意見を呼ぶためのギャラ補填なんて補助金もあったりします。どんな補助金があるのかは調べてみると面白いですよ。実際に使うかどうかは別として。
補助金について調べるにはこんなサイトを。ミラサポ
中小企業向けとか、色々あるんですよ、補助金って。

ちなみに、補助金助成金というものは、基本的に返却不要です。後で不正が発覚すると別ですけど。
これとは別に貸与制度もあったりします。無利子だったり利子がめちゃめちゃ安かったりするもので、こっちの方は返却期間までに返却できれば使いみちが割と自由だったりします。

が、どこまでも個人主催には縁がなかったりします(2回目)。

蒲田のコスイベの助成金については、多分3年とか5年とかのもので、立ち上げから3年(5年)以内に軌道に乗せたら以後補助金に頼りません(というか軌道に乗るべくその間の経費負担を軽くさせる)ものだと思います。
そういう形でイベントをやることについては…実は割りとあるんだよね。あそことかあそことかあそことか。
街ナカコスプレイベントというのは、地域活性化事業の一つとして組み込みやすいものらしく、(実際にやったかどうかはさておき)計画書でよく見る単語の一つだったりします。まあ、街ナカに若い人を呼ぶ→人が増えればその地域で飲み食いしてお金使うよね!→活性化!という単純な図式であり、そんなに事は単純に進まねーよ!と思うのはオタクな当人たちだけでお役人や地域の人達を納得させるには十分な理由なのです。
逆にいうと、同人誌即売会を地域活性化事業として組み込むのは一筋縄では行きません。他地域から人を呼び込み、さらに地域にお金を落とす仕組みを説明し、それと即売会が噛み合わないと意味が無いわけです。なんというか、SDFさんの砲雷撃戦の舞鶴や大湊みたいな、商店街の人達とコラボ組むような企画じゃないとまず通らない。(別に砲雷撃戦がそういうイベントかというと違う気がしてるんですが…すみません)

というわけで、個人の即売会主催には縁などあるわけがない!(しつこい


同人系イベント、特に個人主催に対しては「イベント運営に儲けを出すなんて最悪主催!」みたいな空気がありますし、そもそも面倒極まりない上に、本業サラリーマン・OLな人たちが手を出せる仕組みかというと、ま~無理だと思います。会社立ち上げてたりしてたら、少し考えてもいいかもしれないレベル(そして考えて挫折することが予想される苦しみ)。

そんな補助金を使うイベントをどう思うかは個人の自由でしょう。
ただ、そういう形でのイベント運営も認めるほうが気が楽じゃないかなと思います。

運営手法は十人十色。イベント内容も主催によりけりですから。