タイトルは平松愛理風でお願いします。

前々から思ってるのですが、同人経験の有無を問わず、タイトルの「エロ」と「猥褻」と「成人指定(いわゆるR-18)」の違いがわかってない人が大多数じゃないのだろうか。

目次的にざっくりと結論を書くと。
  • エロとは、シチュエーションであり、感情である
  • 猥褻とは年齢問わず有害な表現であると考えているもので、法律で罰せられるものである
  • 成人指定(R-18)は表現者が未成年にとって有害な表現であると考えているもので、成人が読むのならば法律で罰せられることはない

何を持ってエロとするかは、真面目に考えると非常に難しい。というのは、エロと思うかどうかは、個人の感情であるからだ。
着衣でもエロいと思う人もいれば、全裸やsexのような行為がなければエロいと思わない人もいる。アートとしてのエロと娯楽としてのエロというカテゴリ分けをして、事実上同じシチュエーションをエロかエロじゃないか区別しちゃう人もいるくらいだ。
それでも、まだ絵や映像作品はわかりやすい。他人と一致するかどうかを無視すれば、俺にとってはこれはエロい、これはエロくないが明確であるからだ。
しかし、文章となると難しい。なぜなら前後のある程度の長さを読まないといけない上、その文を読んでエロいという感情を持つにはある程度訓練が必要であるからだ。
前者については、例えば「今抜いた」「今日やった」だけではいろんなシチュエーションが想定でき、必ずしもエロとは限らないという事実が挙げられる。
後者については、性的な知識のない子供に(挿絵が一切ない)官能小説を読ませて、性的に興奮するかどうかという話がある。性に興味があり、自力で知識を仕入れた未成年なら、多分性的興奮を覚えるであろう。しかし、同じ歳でも性的な興味が薄く、知識も乏しければ性的興奮を覚えない可能性が高いのだ。下手すると「sexしてるのはわかるけど、これの何がいいの?」となるかもしれない。これについては未成年に限らず成人であっても同様である。文章で書かれたものにエロさを覚えない人は意外と多いのだ。
それとは別に、エロに該当する記号や単語が使われていれば、それはエロであると考える人もいる。これは嫌悪からくるケースもあるが、やはり感情の1つである。
ベクトルはともかく、エロとは感情である。だから、一人一人基準が違うし、統一も難しい。

猥褻とは刑法で罪であると決められているものである。ただし、罪になる明確な基準はない。性的に逸脱した行為や性的興奮をかきたてるものとされているが、性的興奮というのは人によって異なるものである。従って、全国民が納得する明確な基準を作るのは不可能なのである。
もちろん、特定の人間の感情を持って基準とすることはできる。そして逮捕権限を持つのは警察で、有罪かどうか決めるのは裁判官である。ぶっちゃけ、警察と裁判官の誰が担当するかで、判定にブレが生じがちなのが、猥褻であるのだ。
さらに、性的興奮をかきたてるアイテムなどはモザイクや墨塗り白消しで消してあれば、猥褻物はそこに存在しないということになり、罪に問われない。消された部分を妄想で補完することに関しては、取り締まりは不可能なのだ。ただしモザイクなど、消しが薄くて妄想の力を借りなくてもエロのアイテムとみなされるレベルだと、それは猥褻物と認定され、罪となる。
もっというと、文章の場合、それを読んで性的興奮を覚えるには多大な妄想力が必要になる。そのため、純粋に文学作品で猥褻物判定を食らったのは1例しかなく、その作品も現代は修正のないバージョンも販売されている。
(ただし、表紙や挿絵などが猥褻物であるとして逮捕・裁判になった文学作品は存在する)

成人指定(R-18)は、未成年にとっては有害と作者(もしくは出版社)が考えつける、自主規制である。未成年が安易に手に取れないようにする、専用コーナーでしか販売できないという制限が生じる。ちなみにコンビニで売られてるエロ本は成人指定が付いていない。隔離化されてはいるが、お色気レベル、もしくは修正範囲がものすごく広い作品を「エロ本」と読んで区分してるに過ぎない。
そして成人指定は自主規制であるが、青少年育成条例に基づくものでもある。なので、未成年に閲覧販売すると、閲覧販売させた大人が逮捕される。読んだ未成年は一切罰せられない。未成年が年齢を偽って購入しても、未成年は罰せられず、大人が罰せられる。
この青少年育成条例に基づく「成人指定」も厄介で、「未成年が性的興奮を覚えるもの」がアウトである。故に、絵や動画ばかり取り上げられる。文章が取り上げられないのは「読んだところでわかる未成年がいない」という役人の思い込みによる。実際問題として、知識がなければ妄想できず、妄想できなければ性的興奮を覚えることはないので、知識と経験が乏しいと思われている未成年が文章作品では興奮しないと考えても仕方ないであろう。大人であっても文章作品は猥褻物認定されないのだから。

時々成人指定マークをつければ大丈夫!と思ってる人が多いが、本来は成人指定マークをつけたら閲覧販売時に全員年齢チェックを行わないと法律違反なのである。また、成人指定なのでシチュエーションが過激であろうと、フィクションとわかっている大人が買う前提なのだが、だからと言って成人であってもアウトな猥褻に当たる表現はできないというのが難しいところである。

というのが、現在の日本の基準である。

実は世界各国のエロ基準を見てると、成人指定のものは無修正OK、ただし成人しか入れない店でのみ販売可能、さらに未成年も見られるものに関してはモザイクや墨塗り白消しを含めた修正が必要なシーンの描写すら不可という国もある。また、夫婦のキスシーンですら修正もしくは猥褻認定という国もあるのだ。

どういう形がベストなのかは私はわからない。えらい人が色々考えて話し合っても答えが出ないものに、素人に毛が生えたレベルの人間にベターもベストもわかるわけがない。


ただ、確かなのは現在の文章・文学作品は猥褻も成人指定も本当はいらないんだけど、慣習的にエロ小説同人誌はR-18つけることが多いよねってことであろうか。
でも、官能小説とかって、成人指定付いてないこと多いんだよね。

みたいな話は、定期的にしないとダメなんだろうか。