アンソロジーとか作品集とか合同誌とか。
同人誌は独りで作るのもいいですが、複数人で作るのも楽しいものです。

しかし、複数人で作るとつきものなのが「締切問題」と「編集者問題」。

特に面倒なのは締切に纏わる話ですね。
というわけで、合同誌や作品集などを不定期に作るのが大好きなぼっちサークルによる、問題が起きにくい締切にまつわるお話。


1)参加者の普段の執筆スケジュールを把握すべし
人によってぎりぎりにならないと火がつかない人、さっさと仕上げてくる人、締切が過ぎないとネタが降臨しない人と、複数人でやるとそれぞれ作品の作り方はまちまちです。
だからこそ、参加者の執筆スケジュールというか、どんなタイミングで原稿に取り掛かり、出来上がるまでにどのくらいかかるかを、主催者は把握しておくべきです。

ちなみに、原稿が来ないとヤキモキするくらいならば
  • 公募はしない(すでに主催者が相手の執筆スケジュールを把握している人とやる)
  • 主催者のスケジュール感と同じ人とだけでやる
のがおすすめです。

2)最初に参加者のMAX人数からMAXページ数を出してMAX予算額と頒布額を決めておく
MAXですから、あとで減らせます。そして全員MAXで出すことはないので、追加参加者(原稿仕上がりが早い人限定)も入れられます。ついでに、この予算額は(使用したいプランの)通常納期で試算を出すこと。 早割にすると安くなるから…はすごくわかるけど、他人のスケジュールはコントロール出来ません。

3)印刷所は締切の異なる2箇所を検討しておくと気が楽
要は「A社早割>B社早割>B社通常>A社通常>A社割増>B社割増」みたいなチェックをしておいて、締切計算はB社通常入稿前提にしておくと「お金がない!」「時間がない!」起きにくくなるうえ、締切を立てやすくなります。

4)非公開締切は原稿仕上がりが遅い人に、公開締切は仕上がりが早い人に合わせる
原則として、「ヒトは締切を破るもの」と考え、公募原稿の締切は早めに設定すべき。仕上がりが早い人と書きましたが、3)の例でいうと「A社早割の3日前に入稿用原稿の編集を終わらせる」ために原稿が届かないと困る日を「公開締切」として参加者に告知すべきです。
ただし、自分の中でどこまで許容範囲化を見極めた上で(あと主催者がぶっ倒れる可能性も考慮し)、誰にも伝えない、本当の入稿締切は3)でいうとA社通常検討でスケジュールを立てておくと心労が減ります。なお、本当の入稿締切は聞かれても絶対に答えないこと。

5)連絡なき締切破り対策として、事前にペナルティ告知を
……ペナルティと言っても簡単なことで「連絡なき締切破りは掲載見送り」「(連絡があっても)締切日までに提出不可者が●%出た時点で締切破り多数に付き発行中止とする(全責任は締切破り者に負ってもらう)」的なことを一番最初に執筆者全員に告知しておくと、誰かの原稿が出なくて入稿できないとか、誰かの原稿を待っていたら割増料金にせざるを得なくて予算オーバーとかの悲劇が防げます。

6)「大手壁・お局さまだから遅刻上等!」と公言する人を参加させない
……私じゃないのですが、ある人が公募系でアンソロを作ろうとしたとき、ある壁サーだけが締切日になってからようやくネタくり仕出して、それをつぶやいてたのを見た主催が愚痴っていたら、それをチェックした壁サーがすでに提出している友人たちに「あの主催は本当に本を出すか信用できないから原稿取り下げるべき!」と呼びかけて、実際に原稿を取り下げさせたがために発行中止となった事例を知っております。こういう「遅刻上等!」な壁サーとかお局様は、基本参加させないほうがいろいろと主催者の心労と手間が減ります。というか、提出した原稿を取り下げさせたのに、「発行中止になったって連絡が来ない!(この時点でもまだこの人原稿出してない)やっぱり私の言うとおりになったでしょ!」という方がガチで複数実在しますので、出来ればブラックリスト的なもので共有したい所存。無理だけど。

大手壁な方が参加すると本の頒布数が増えるという思い込みもありますが、実際は増えません。ほしいという声は高くなりますが、その声の数と実際の頒布数は一致しないのです。だったら、容赦なく参加不可にさせたほうが無難です。あと、原価厨とか初心者だから主催が面倒見てくれるのが当たり前!厨の参加については、その主催の判断でお断りしていいと思いますよ。


……特に腐女子案件の場合、こうやって断ることでないことないこと言われて学級会開催とか非常にあるあるなのですが、ほぼ99%が学級会対象者への私怨です。そして学級会議案に持ち込んだ人が問題行動を起こしたのにもかかわらず、それに対応しなかった(その人の思い通りにならなかった)ことに対する逆恨みがきっかけにもかかわらず、その事実は伏せるか捻じ曲げた状態で議題として学級会に挙げられます。
となると厄介なので、我慢しちゃう主催者も多いのですが、潰れるのはその主催者さんなので、自分の身を守るためにも最初から参加させないのも手でございます。
……男性向け系ですと、私怨乙で終わってくれるんですけどね…。腐女子案件、そうは行かないどころか、火のないところから火をつけるのめちゃ得意な人大勢いすぎるので…。


以上、締切64日ぶっちられても予定イベントに新刊を割引料金で入稿することが年に1回以上発生する作品集企画者が実例を交えてお送りしました。

……なお、該当作品集を来年作る場合は、「締切1日破るごとに1000円で計算し、提出後その金額分参加者に焼き肉を奢ること」という条件を課す予定となっております。……うん、あまりにも締切破りが多すぎて。