クッパ姫からのポケモン同人作家逮捕事件でうんにゃらほんにゃらでトゥゲッターのまとめを見て気づいたコト。

この事件を語るにあたり大前提である「知識」が消えている。

…まあ、ガチで黒歴史であり、ついでにオタク関係ない話なんですが、この話を書いておかないと「なんであの時代ファンブック作ってただけの同人作家が逮捕されたのか?」がわからなくなるなと思いメモ。


あの当時、いわゆるアングラな世界にはヤクザさんがいるとされていました。同人誌の世界においては、いわゆる転売ヤー側にヤクザさんがいました。
そんなある日。
「これ、転売で儲かるなら、複製して売ればもっと儲かるんじゃね?」
と考えたヤクザさんがおりまして。しかも、
「売れる本複数混ぜて1冊の本にすればコスト安く済んでしかも高く売れるんじゃね?著作権?そもそもこいつらの本自体著作権無視だろうが
と後半同人誌が違法だという人の根拠と同じことを言い放ったかどうかはともかく。

そんなつぎはぎな合本形式の同人誌が、アングラ世界で流通していた時期がありました。言うまでもなくこれは「海賊版(複製コピー)」で、今コミケなどで売られてる同人誌とは違い完全真っ黒な同人誌です。ちなみに背表紙が決まって黒色で、表紙のタイトルとは違った名前が書かれているのが特徴です。まあ、表紙から中身まで全部デッドコピーだからなあ。
(なので、下手すると表紙の同人誌の中身が収録されてないってこともよくあったそうな)

割とコミケが大規模になりつつも、パロディ同人誌とは何かというのが、一般認知されていない時代の話です。具体的にいうと、20世紀中は大体そんな感じ。同人誌やコミケが一般的認知をされるようになったのってここ数年で、それまでは「同人誌=海賊版=違法」みたいな空気があったわけです。その原因が、このヤーさんたちが作ってた背表紙が黒い同人誌のデッドコピー同人誌の存在です。ちなみにヤクザさんたちは売れればジャンルその他を全く気にしなかったので、パロディ同人誌(二次創作)だけじゃなくいわゆる創作系同人誌もまぜこぜにして合本を作っていました。

警察さんもそんな認識でして。というか、普通のサラリーマンやOLさんが自分で漫画を描いて自費で同人誌を出している(しかも結構な人数が書いて出している)なんて知ることもなく(これは当時のオタク・腐女子たちが隠れた趣味としてひっそりやってたからというのもある)、「同人誌を見たら背後にヤクザがいると思え」と本気で思ってたようです。

ポケモン事件は一般人の認識がそんな時代に起きた話です。逮捕時おおごとになったのは「このOLがヤクザの末端で、ここから芋づる式にヤクザの本拠地までいって逮捕できる!」と思っちゃった京都府警の考え違いです。この件の顛末が最後どうなったのかマスコミが書かなくなったのもそういうことです。

さて、当の海賊版作ってたヤクザさんですが。この手の海賊版はポケモン事件前後には作らなくなっています。これはポケモン事件とは無関係で、単に「…この同人誌、安く売っても儲からねえ!!」と気づいてしまったからとか。転売よりもコストがかかる上に割りに合わないと(作ってみて)わかったようで、そのものを仕入れて転売した方が高く売れるとそっちに戻って行きました。ちなみに現在においては転売ヤーの中にヤクザさんが残っているかどうかも懐疑的です。転売が儲からなくなってきたからです。

とまあ、こういう同人誌の海賊版があって、それが同人誌とみなされてた時代があって、そういう海賊版同人誌を作っていたのがヤクザさん関係で、ヤクザさんを捕まえたい人たちが同人誌は違法!キャンペーンをやっていたけど、私たちが作る同人誌とは違う(法律的にも背表紙的にも)真っ黒な同人誌があったから……と「同人誌」がゲシュタルト崩壊起こしそうな文章を締めに使って終わる。