いわゆる「なろう系タイトル」と呼ばれる「あらすじ説明型長文タイトル」の元祖はどこか?から始まって、今ツイッターでは「#自創作をなろう系タイトルに変換」というタグをつけてのお遊び(という名の自作宣伝)がブームになっております。

でね。中の人も自作の小説をなろう系タイトルに変えてみたわけ。

「七年で消えた王子様の話」(光明電気鉄道物語)
「金はないけど口先一つで都会の電車を田舎に持ってきてみたらやっぱりお金がなくて七年目の僕、大ピ〜ンチ!」

「その男、軍事路線につき。」(国鉄二俣線物語)
「地震がきたせいで生まれるのが遅れた僕、時代と上司のおかげで正しく性格が歪んで『田舎者』をいじめて遊んでいたら『田舎者』だと仲間に見捨てられたので転生することにしました」

「Just Like a Friend.」(遠鉄奥山線物語)
→「わらしべ長者チャレンジしたら飛行機→嫁ゲットからの爆弾投下で全部燃やされた私を哀れむ奴らが「支援」という名目でストーカーしてきて、1000万円あればなんとかなるらしいが他の土地に行くのもありかもしれない」

…とりあえず完結してる鉄道擬人化小説だけですが、こうやって書き出すとカオスだな……特に奥山さん。

で、やってみて思ったんだが。
割とこの説明系タイトルは作るのが難しい。

だらだら長くあらすじ書けばいいのかというとまた違うんだよね。なんというか、作品を読み込んでそれを面白おかしく、ターゲット層にヒットする単語をピックアップした上で文章然(Not文章)に作らないといけない。
商業作品のこの形のタイトル付けの是非は別として、書き手は最後にこれを作ってみると作品が俯瞰できていいかもしれない。なあに、発表しなきゃ特に問題は起きない。

あと、割とアオリ系の文章にもなりやすいなあと。昔(…っていつ頃からだよ…)って、この手の文章は「帯」に書かれていた気がする。
帯の文章は検索に引っかからないゆえ、検索ワードとして違和感なく仕込みやすい「タイトル」に移動してきたのかなとも思う。

私はこの手のタイトルのブームは「おとボク」とか「もしドラ」あたりかなあ…と思ったら、その一年前に「ラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」がありましたね…。これの元は2ちゃんねるのスレタイトルですけど。
一番最初にやったのはどれか?を言い出すと、2ちゃんスレタイの他、SF系作品、さらに海外古典文学にも類例が見られるうえ、ビジネス書や論文でもこの手のタイトルは昔からあるので、多分わからない。そしてラノベに持ち込んだのは「なろう」が最初ではない。多分。
(個人的にはこの手の議論に(ラノベレーベルでない)大衆小説を除外するのは割と否定的ではある…。ラノベといえど小説の一ジャンルなので切り離して考えることは無理だと思うのよね…)

で、話を戻すと。

説明系タイトル(通称:なろう系タイトル)に否定的な人も多い。しかし、読んだことのない人にとってはざっくりあらすじがわかるうえ、好みの話かどうかもチェックしやすい利点がある。
ならば、あえて「なろう系タイトル」を考えた上で、帯にデカデカと書くか、宣伝告知で活用するってのはどうだろうか?SNS向けとしてはありではないかと。
フンワカほんわかな宣伝文句よりはピンポイントに本領発揮するんじゃなかろうか。

というわけで
「3日ほど一生懸命なろう系タイトルについて考えていた私、深夜に救急病院に搬送されたが原因がわからないのでベッドの上からブログ生活」

……皆さま、健康にはお気をつけください……。
(脱水と冷えによる体調不良だと思われる)