埼玉県の水着撮影会が中止だ騒動で、プールの運営団体がルールを明文化しました。
水着撮影会の再開と同時に明文化ってところが正解かもしれない。



で、ここに貼り付けられているルールなるものは、今年度の暫定ルールであることに注意が必要です。
一応リンク。PDFです。

再開するに当たってルールを策定すること自体は問題はないと思います。口頭だと言った言わないになりがちですし、明確なルールを文章化することで外部からも違反かどうかの線引きがしやすくなるから。聞いてないので違反してるらしいけどいいよね!では困るので。

ただ、今のところ「(埼玉)県営の水上公園」に限っているものの、同じ埼玉県の他の県営施設とか、他県の同様施設がどう対応するのかってところは注視する必要があるとは思います。



で、明文化の中に「禁止のポーズ」という規定があります。
これが表現の自由に反するのではないかという話。

まず大前提として、表現の自由よりわいせつの方が【刑法の取締】は先になります。
この辺は何となく分かるんじゃないかな。いくら結社の自由だ表現の自由だと叫んだところで、全裸で街なかをデモ行進したら、まず【公然わいせつ罪】で逮捕されるよね。そういう話。

その上で。
特にこの「水着を外そうとする・ズラす」については、わいせつの観点で割と危険だったりします。
あ、えっと。ポーズが、ではない。
このポーズに至るまでの過程で、公然わいせつ罪に当たるおそれが高い。という話。

写真に収める際は、ちゃんと見えないように気をつけているはずなんです。当たり前だ。
ただ、そのポーズを決める前、位置とか角度とか調整している段階で見えてることは割とあります。もっというと、カメラの撮影角度では見えてないかもしれないが、そこから外れた位置だと見えてますとか。そうなると、公然わいせつ罪の可能性が十分考えられます。しかも、自分から水着をずらしているわけで、そこの言い逃れはできない。
このへん、突風が吹いてスカートが捲れ上がった的な「ラッキースケベ」とは一線を画すわけです。

プロなんだからそこは完璧にこなすはず!と言いたいところですが、本人が気づいてないケース多いんですよね……。指摘されて見えてたことに気づくモデルさん多そうだし、そもそも男性たちはラッキースケベと思ってるから指摘しなさそうだしなあ。となると、連帯責任でわいせつ罪と言われてもやむを得ないかなあとは思います。
こういう「公然わいせつ罪」を否定するために前張りとかインナーパンツとかの存在があると思うのですが、ルールで【ニプレスやインナーショーツ、前貼りが見えるような水着、服装は禁止】と明文化されたことにより言い逃れが難しくなった感があります。
(個人的には、ニプレスやインナーショーツ類をつけていてもずらしポーズ禁止はちょっと厳しいなというか、そういった複合的要素で表現の自由の侵害と言われそうだなとは思ってます)

じゃあ、濱澤はこのルールが全面的に正当だと思うのかと言われると、ひっかかっているところもあって。
一つは【NGポーズ例の図示】。
一つは【水着を着てないかのように写るポーズは禁止】というルール。


NGポーズ例の図示の問題点は、「ここに書かれていなけりゃいいでしょ?」的悪意によってイタチごっこになりそうだなあという話。このへんは今年度の暫定ルールであるという点を加味して、次年度以降どうなるか注視するしかないでFAかなあと思ってますが。

自分が問題だと思ってるのは、後者。
わかるんですよ。紛らわしい真似するんじゃねえってことくらい。SNSとかに挙げられた写真見て「裸で撮影会してた!」って活動家が殴り込んでくるからね。写真だと本当に水着着用してたかどうかわからんからね。わからんからこその【水着を着ていないかのように映るポーズ】だから。
こういうルールを作った運営団体の気持ちはわかる。

ただ、この項目だけは流石に(公然わいせつ罪じゃなかったときに)表現の自由に反しそうだなあ……。
だってさ。よく考えてみてよ。



男性はOKで女性はNGって反論は、男女差別に当たる。

(もちろん、安村氏のネタを見て「全裸でネタしてたぞ!」って忠告に来るやつがいたらその人自身がちょっとやばいということは大前提であって)
(ところでアキラ100%さんのネタは大丈夫なんだろうか。絶対にプールとかで営業しないと思うけど)
(あと、大宮セブンの皆さまとか、ほっとくとすぐパンイチになって笑いを取ろうとするんですけど、あの人達一応さいたま観光大使だよね?大丈夫?このルールが原因で大使剥奪されない??さいたま市の大使だからセーフ??)


ちゃんと水着を着ていて、けれど全裸に見えるからって理由で公然わいせつ罪になったらそれはそれで問題だし、公然わいせつ罪にあたらないものを否定するのは表現の自由との兼ね合いでややこしいことになりそうだよねって意味において、ここは厄介なルールだろうなあと。
(もちろん、水着が引っかかってるレベルで「着ています!着てないように見えるだけです!」って主張される可能性を考えると、規制する人たちの気持ちは非常によく分かる)

とまあ、こんなところかしら。
全体的には「まあそうでしょうね…」という感想です。カメラに収めるところだけじゃないのよ、公然わいせつ罪って。問題視されたのはそこですし。
なので反射的に「表現の自由に反する!」って吹き上がってる人たちは冷静になって欲しいとは思うところであります。

その上で、この手のルール、特に禁止ポーズ例の図示がこれ以上増えないことを祈っております。